写真週刊誌の名誉棄損と持ちつ持たれつ~会社法判例研究
芸能人のスクープ記事などが、時には芸能人の致命傷となってきたことがある。最新の判例はどうなっているであろうか。判例は「過去に違法行為を繰り返した」という事実は認めながらも、現在は、編集長が名誉棄損の有無などをすべて把握する立場にあり、「不法行為を行う会社である」ということにならないような責任を負うと同時に、名誉棄損に関しても責任を負うとされている。犯罪行為のスクープや、公職にあるものの行為のスクープは置いておくとして、芸能人のスクープ記事は、実は今の判例では「もちつもたれつ」の関係にあることを意味する。メディアへの露出が増えたり、「恋多き男(女)」としての地位を確立したりできる。そうでなければ「名誉棄損」としてお金を払わなければならない。また、「第三者のコメント」としての冷静なコメントの掲載が求められたりもする。現在の芸能界の「スクープ記事」も判例がまとまってきており、なんだかんだいって芸能人は本当に守りたい秘密は守れるし、オモテに出したい情報は出せる。お金ももらえる。しかし、世間の「リアクションは予測不能」であるということは事実なのだ。それが今の週刊誌をめぐる判例理論となっている。
私は最近、動画製作に楽曲を利用する際に、今をときめく「AKB48」や「嵐」の権利関係の厳しさを痛感したのだが、AKB48の「恋愛禁止」が死文化していることは容易に想像できるし、ジャニーズも権利関係では強力な力を持っている。海老蔵は300万円で横っ面たたけば記事を書かせてくれるけど、今のAKB48は無理だということだろう。
ジュリスト2011年4月15日「週刊誌における名誉棄損と取締役の責任」弥永真生
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