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Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

書籍・雑誌

2011年10月24日 (月)

洋書の探求

「競争優位」を参考に、作家として成功する方法を考えました。
第一に「コストをかける」という競争があります。
たくさん本を買う。本を読むためにどれだけ時間と体力を使うかの競争がある。
第二に「違い」という競争がある。
どれほど他人に差をつけたか。他者よりどれだけすぐれた能力をもっているかの競争がある。
第三に「技術」がある。
競争力のある技術をどれだけ持っているか。いろんな技術をもっていることが条件になる。
第四に「どの分野で競争するか」
第五に「自分の代わりがいることも織り込み済みで、どの程度代わりがいるのか」を考える。
そこでようやく「どういう作品をリリースするか」が明らかになる。
そのうえで「他の作家との技術や知識の交流・競争」が起きる。
市場が「不確実である」ことを踏まえて、弱者を攻撃し、強者から身を守る。

これが"Competitive Advantage"の全貌だ。
俺もこれを踏まえて600ページの英文を読んでみようと思っている。

Competitive AdvantageBookCompetitive Advantage

著者:Michael E. Porter
販売元:Free Pr
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同様に、「ハリネズミの正義」ドウォーキンのダイジェスト。
①独立すること
モラルを探求する
外部から批判される
俺のモラルの理由を主張する
自分でよく考える
②解釈
モラルに責任をもつ
みんながやっている解釈の方法
解釈について
③倫理
尊厳を知ること
自由意思と責任
③道徳
尊厳が道徳へつながる
救い
害悪
義務
④政治が生まれる
政治にともなう権利
平等
自由
民主主義
法律

これが「ハリネズミの正義」の全貌だ。
アメリカの法哲学のすべてがここにある。

Justice for HedgehogsBookJustice for Hedgehogs

著者:Ronald Dworkin
販売元:Belknap Press of Harvard University Press
Amazon.co.jpで詳細を確認する

アンナ・カレーニナの場合。

アンナは浮気をした。
批判された。
よく考えずに男と逃げた。
それが私のモラルだ。
みんなの解釈とは食い違った。
カレーニンの尊厳。
アンナの自由意思。
道徳。
救い・害悪・義務。
愛に法律などなかった。
アンナの自殺。

アンナ・カレーニナ(上)
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ
アンナ・カレーニナ(中)
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アンナ・カレーニナ(下)
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

「世界平和を願う人へ」
地球の裏側にいる人と「私」は「同じ価値をもつ人間」ですが「何の関わりもない」というのが現実です。「私」は関わりを持った人たちといろいろな交流をもちますが、地球の裏側にいる人がもし「間違った行い」をしたのなら指摘しなければなりません。それが「お互いの尊厳」を語り合うことなのです。世界平和を願うというよりも、「地球の裏側の人たち」とはそういう関わりをすべきだとされています。
断片的になりますが、ドウォーキンの本に書いてありました。

2010年4月 5日 (月)

ゴールドマンサックスCEO~TIME誌より

ブランクフェインCEOは貧しい育ちだった。高校では「面白い奴」を演じて生き残ったという。勉強に打ち込んだらハーバードの方からスカウトが来た。その後、ロースクールまで進んで、弁護士を開業する。あくまでも法律家で、同窓だったバーナンキには劣等感を持っていたという。当時はタバコを2~3箱吸い、太っていた。その後、金の取引に手を出した。やがて金融の部門に進出していく。「投資家は正しいことよりも間違っていることの方が多い。しかし、間違いを直ちに修正するのがいい投資家だ」と彼は言う。やがてゴールドマンサックスに入る。同僚も、10年前なら彼がCEOになることなど予想もできなかったそうだ。しかし、彼はこの時期に、日本の円安への動きを予測し、ギャンブルに勝ったのだ。2006年にゴールドマンサックス出身のポールソンが財務長官になって、ブランクフェインの人生もピークを迎える。スポーツで体重を落とし、タバコもやめた。彼は言う「人生ってのは、自分のいい面を5%増しに評価してもらって、悪い面は見逃してもらうことだよ」と。リーマンブラザーズが破綻したときを振り返って、ブランクフェインは「あの一週間はAIGの一週間だった」と語る。AIGが破綻すればゴールドマンサックスも破綻する。そのことで14回も財務長官と会ったそうだ。今は彼の高級マンションは「ウォールストリートの頭脳」と呼ばれ、広い敷地の別荘も所有している。問題は、公的資金を注入して世論の反発を受けていることに無頓着なところだといわれる。いまだに高額なボーナスを従業員は受け取り続けている。
TIME誌2009年8月31日号
注)なお、金融危機に際して、アメリカでは証券取引委員会(SEC)が、任意の監督枠組として「連結監督事業体」(CSE)というプログラムを導入した。このプログラムの対象グループは7グループ(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、メリル・リンチ、リーマン・ブラザーズ、ベア・スターンズ、シティグループ、JPモルガン・チェース)だったが、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは銀行持株会社となり、メリル・リンチとベア・スターンズは銀行持株会社グループに売却され、リーマン・ブラザーズは破綻した。

2010年3月15日 (月)

文藝春秋「昭和天皇」からの印象的な話

昭和6年の春は寒かった。東北地方では「山背」が吹き、寒風と長雨が続いたのだ。それに室戸台風が致命傷となった。高知県室戸岬だけではなく、東北地方にも再上陸していたのだ。このため小作農が50%の減収となり、地主への支払と借財の利払いで消えた。破産以外の何ものでもなかった。国民新聞は「消えた娘が200名」などと報じていた。娘の身売りが横行していたのだ。東京の向島玉之井で、南喜一という男が事務所を開いていた。労働争議の交渉が表芸であったが、博徒の喧嘩の仲裁や、高利貸しの棒引き、警察や消防への苦情申立てなどをやっていた。この、南が娼婦となっている女たちの救済に動いた。抱え主たちは博徒を集めて対抗したが、南は労働者を動員したのだ。衝突となれば警察の所轄も面目を失う。結局、抱え主が折れて女主人は南にひれ伏した。その時、娼婦は「母さん」といって南の前にひれ伏している女主人の味方をしたのだ。結局、南は女を連れて福島に帰った。「先生!」と歓迎されたものの、夜になって家の人の愚痴が聞こえてきた。相変わらず金もなければ、人間関係の修復も不可能だったのだ。南は、自分の薄っぺらな人道主義に対して、女主人に抱きついた娼婦の姿を思い出し、彼女の方が自分の状況を正確に理解していたことを知った。翌朝、南は家の人に謝罪し、女を東京に連れて帰り、しっかりとした職につけることを約束したが、こうした女どもは結局娼婦に戻って行ったそうだ。昭和の人間は貧乏から対立・問題を抱えていたのだ。現代との根本的な違いだろう。
文藝春秋2009年7月号「昭和天皇」福田和也より。