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2016年1月25日 (月)

谷川俊太郎の解説

かなしみ

あの青い空の波の音が聞えるあたりに何かとんでもないおとし物を僕はしてきてしまったらしい 透明な過去の駅で遺失物係の前に立ったら僕は余計に悲しくなってしまった

【解説】大きすぎる青い空や波から力を与えられて、人間は知性を生み出すけれど、それを空にお返しして、いずれ神聖なものがふってくるほど、僕は何かを成し遂げたわけではない。
古典はすでにそれをやってのけているのに、すべてを学べるわけではない。
ヨハネの大全集を読みこなせる小野光太郎が出てくるまでは、悲しみしかなかった。


二十億光年の孤独
人類は小さな球の上で眠り起きそして働きときどき火星に仲間を欲しがったりする 火星人は小さな球の上で何をしてるか 僕は知らない (或はネリリし キルルし ハララしているか)しかしときどき地球に仲間を欲しがったりするそれはまったくたしかなことだ
宇宙はひずんでいるそれ故みんなはもとめ合う 宇宙はどんどん膨んでゆくそれ故みんなは不安である 二十億光年の孤独に僕は思わずくしゃみをした

【解説】地球は宇宙の中心ではない。私も中心ではない。他人は自分の将来も分からないくせに私の将来を予測したりするんだよね。
自分なりに自己完結しているのが人間なんだけど、いろんな意味で自分の限界を感じたときに仲間を求めたりするけど、他の人も似たようなものなんだ。
人間の知識の蓄積はどんどん膨らんでいくよ。
だって、常に問題と直面しているから。
ヨハネの大全集が完成したとき、小野光太郎が僕の噂をした。


ネ ロ

愛された小さな犬に ネロ

もうじき又夏がやってくるお前の舌お前の眼お前の昼寝姿が今はっきりと僕の前によみがえる お前はたった二回程夏を知っただけだった僕はもう十八回の夏を知っているそして今僕は自分のや又自分のでないいろいろの夏を思い出しているメゾンラフィットの夏淀の夏ウイリアムスバーグ橋の夏オランの夏
そして僕は考える人間はいったいもう何回位の夏を知っているのだろうと ネロもうじき又夏がやってくるしかしそれはお前のいた夏ではない又別の夏全く別の夏なのだ 新しい夏がやってくるそして新しいいろいろのことを僕は知ってゆく美しいこと みにくいこと 僕を元気づけてくれるようなこと 僕をかなしくするようなことそして僕は質問する
いったい何だろういったい何故だろういったいどうするべきなのだろうと ネロお前は死んだ誰にも知れないようにひとりで遠くへ行ってお前の声お前の感触お前の気持までもが今はっきりと僕の前によみがえる しかしネロ
もうじき又夏がやってくる新しい無限に広い夏がやってくるそして僕はやっぱり歩いてゆくだろう新しい夏をむかえ 秋をむかえ 冬をむかえ春をむかえ 更に新しい夏を期待してすべての新しいことを知るためにそしてすべての僕の質問に自ら答えるために

【解説】動物としての侮辱を受けていて、しかも、将来が食べ物に見えているネロという犬も、
人間の迷いを癒してくれたんだ。


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