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2012年5月22日 (火)

加藤登紀子の「GOLDEN BEST」をスタンフォード哲学で斬る

ひとり寝の子守唄」もいいですね。4歳にならない子供は意識があまり明確ではないとされていて、また、乳児は「おしっこ」を通じて外界との関係を学習していきます。これを「エゴを学習する」といい、言葉を覚えると同時におもらしをコントロールできるようになります。

知床旅情」は、実は死生観と関わっていると思います。「霊魂が抜ける」にせよ「復活」にせよ、「俺たちのことを思い出してくれよ」という思想を基盤にしているのです。だからこの曲は死生観と深くかかわっていると思います。

琵琶湖周航の歌」もいいですね。風景や環境をアートとみなすようになったのはヘーゲルあたりで、18世紀ごろです。それ以前はみんな当然のように自然の中にいました。その環境がアメリカに流れ込んで地理や地質学などの学問が発展したのです。非常に興味深い曲です。

愛のくらし」もいいですね。人を好きになるのは「その人が持ち合わせているものに対して自分の感性が弱かった」からだとされるが、兄弟への愛の永続と恋人への愛が永続しないことが愛の重大テーマです。犬を愛するがごとく恋人を愛して永続しない愛を良く表現している。

灰色の瞳」は、同じ時間に空間を異にする「あなた」と、まったく異なる行動をしているという「特殊相対論」「一般相対論」の人間関係のすべてを表現しています。この関係を宇宙にまで広げて光と重力を尺度にしたのがアインシュタインです。

リリー・マルレーン」も哲学ですね。「赤い唇」が彼女と社会の関係を決めて、戦場に出る男たちとの関係も決めた。そのあたりに哲学があると思います。

鳳仙花」もいいですね。重さの反復が最高です。世の中にはいろんな「ムラ」があって、その中に「全知全能の人」がいる仕組みですが、その全能者に与えられる課題が「重さを持ち上げること」「繰り返すこと」です。この曲の重さはいい空間を作っています。ムラの全能者はムラのイデオロギーを決める資格を持つので怒らせるとろくなことになりません。

この空を飛べたら」は祈っただけでは高みに行けない現実がある一方、エブラハムのように神学的評価を得て地球より重い価値を持ってしまう人もいるという世界で、ニーチェが「努力なき重さはない」とした世界観について語っていると思います。

ANAK息子」は、子供は段階(ステージ)を登って成長していくものであるという文部科学省の認識の基本を踏まえた作品です。子供はステージを登っていくのです。ルソーがエミールで明らかにして教育の世界の共有財産になっています。

時代おくれの酒場」は人間の本質を示す最も重要な曲です。あらゆる人生に疲れた人も「人生に卓越を望んでいる」という事実があるのです。これを知るだけでいろいろな人の本音や行動が分析できるのです。素晴らしい曲です。

難破船」も興味深い曲です。嫉妬とジェラシーは意味が違います。ジェラシーというのは「自分が愛する人が別の人に愛情を持ってしまう」構造から生まれるとされ、通常の嫉妬とは異なる説明がなされるのです。ジェラシーを歌った曲として意味があります。

陽ざしの中で」は太陽信仰を本質とする日本人が「永続しない愛」「狂気を含んだ愛」「犬を愛するがごとく人を愛する」情景をうまく表現しています。

百万本のバラ」という曲はもはや「評論は聖域」とされているそうですが、あえていうと「女優」という神学的評価に惚れた貧乏絵描きが「神学的評価」と「現実」の区別がつかずに神学に大金を捧げた曲であると私は解釈しています。皇后美智子にひれ伏す人間は貧乏絵描きだということです。それを見抜く学問の神髄です。

愛さずにはいられない」という曲は面白いです。女性の性欲の発信源は「子供を産みたいという気持ち」だとされていますが、写真や雨などの「外部記憶」に昔の男性を思い出しながら他の男性と触れ合う女性を描いています。

LOVE LOVE LOVE」も興味深い曲です。「愛」という言葉には狂気が含まれるのでなかなか美しい表現は難しいと思いますが、その「狂気」を含む概念を歌にすることの難しさを感じさせます。

Revolution」はいいムーブメントイメージを持っています。今は貧困層も左翼には走らない構造があり、愛という言葉にも狂気が含まれる。そんな中で「何が重要なのか」を情報の洪水の中で見抜いていこうという歌のように聞こえます。

18の頃」は、社会に認められたいという欲求を持つ年ごろを良く表現しています。大人になったら「そういう夢を見た」という記憶しか残らないこともよく表現している。非常にいい曲です。自由は不安があることから証明されます。

雑踏」はいいですね。季節が変わっても「あなた」を思い続ける。記憶は人間の同一性を意味します。どんなに季節が変わっても同じ記憶を持ち続けることが同一性だとすれば、日本人が時代劇という記憶を共有していることにも似た意味を持ちます。

さくらんぼの実る頃」は、哲学です。「大人の男の魅力」とは「美少年が成長していくたびに失うものがある代わりに獲得するもの」にその本質があるとされています。それを巧みに表現しています。

時には昔の話を」は記憶のメカニズムを良く表現しています。物事を覚えた時と条件を同じにすると物事を思い出すとされていて、この曲は昔のエピソードを思い出す空間をゆったりと表現しています。

美しき20歳」はいいですね。ルソーによると「人間は21歳になるまでは教わったことしかできない」とされていて、ようやく自分の意思で世界に働きかけることができるようになる年齢の発想を良く表現しています。

バラ色のハンカチ」は受験勉強の奥義を表現しています。物事を思い出す時はそれを覚えた時と条件が同じになった時だとされています。試験場と同じ「時間空間」を膨大な量確保した者がものを思い出します。外部記憶が「試験問題」=「ハンカチ」となります。

島唄」は沖縄の命を表現しています。戦争中に日本軍は対米戦争遂行のために食料を必要とし、軍にとっても貴重な手りゅう弾を島民に与えて「口減らし」のために自殺を命じています。これが大江健三郎が明らかにした「沖縄の秘密」なのです。この曲は命の重さを歌っています。

川は流れる」もいいですね。特定の時間を設定したらあとは自然法則にしたがって物事は流れるものだというのを決定論というのですが、この曲は決定論の思想を良く表現しています。

花HANA」は「いつの日か花を咲かそう」と言っている以上、決定論の立場ではありません。人生にあるプロジェクトを静かに進行させているという実存主義の情景を示しています。静かに淡々と価値を目指して不安の世界を生きているという情景を示しています。しかし、花を咲かす背景には真実の蓄積がなければならないことも知らないといけない。

まっすぐ見つめたい」は対象に「有効かつ正直なメッセージ」を出すことの重要性をうたっています。対象はそれを受け止める能力が必要です。実はアメリカが11年間かけてアフガニスタンでの戦争で学習したのもこれだけだったのです。

人生不思議」は人生の五類型を表現している「神が決めた」「魂で突破した」「自分で決めた」「環境が決めた」「ニヒリズム」の五つのうち、現代の主流である「環境が決めた」という人生の情景を表現しています。科学が発展した20世紀後半以降の主流派なのです。

愛がとどかない」もいいですね。世の中は美男美女だけの世界ではありません。感性のマッチングが行われてカップルができます。そこはまさにパラメーターの高い世界でいろんな葛藤が起きます。そういう世界を良く表現しています。

ふるさとは忘れない」は人生に「主観的戦術」を持っている人には力があるという情景をうまく表現しています。自分の持っているすべての力を主観的戦術に集中して生きる力に変えていくことを表現しています。

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