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2012年2月15日 (水)

和辻哲郎

彼は、西田幾多郎や田辺元といった京都学派には属さないが、海外に日本の哲学を発信した第一人者として同時代に存在した。京都学派は認識論や形而上学、論理学を主戦場としたが、和辻は倫理学を主に語った。本来、和辻は姫路の高校にいたが「バイロンのような詩を書きたい」と言って東京の一高に移っている。そこには新渡戸稲造などの優れた教師がおり、武士道なども読んだ。
やがて彼は夏目漱石の影響を受ける。夏目漱石の「西洋の個人主義と日本人の葛藤」をテーマにするようになったのだ。西洋個人主義が思想的には日本人にとって「救いがなく、絶望しかもたらさないのではないか」という考えに影響を受けた。これはいまだに日本人の間に「ぼっち」という流行語を残しているほどのテーマだということを知らなければならない。
和辻はニーチェの研究で学位をとるが、やがてショーペンハウエルの研究を始める。「悲観主義と救済」というショーペンハウエルのテーマを追求したのだ。西洋社会ではすでに「ぼっち」のテーマは克服されていることを知った。やがて京都帝国大学や東京帝国大学の教授になっている。日本の気候や風土の研究、古寺の研究、古事記や日本書紀の研究など、あらゆる見識を深めていった。やがて、道元の研究にも没頭している。
これらの基盤を踏まえて多くの著作を残しているのだ。
和辻の書いた「風土」という書籍が、日本の「地理や地質、気候や天気のパターン、気温や湿度、土壌や海、生活習慣や産業、衣服や食べ物」までを世界に発信したのだから、日本と戦争をしようと考えていた国に重大な資料を与えたことは想像に難くない。西洋や東洋の深い研究のもとにこのような研究を行い、日本人がどのように生まれ、どのように生き、どのように愛し、どのように死んでいくのかを明らかにしたのだ。
和辻は、日本という国がそもそも島国であり、海に油が浮くようにして、やがてそれらが何らかの形をもつようになって島ができたとイメージされており、その本質は「無」であり「空」であるとしていた。「無」であり「空」であるというのは国の成り立ちに求められるものであり、その点では京都学派と見解が一致していたのだ。
また、「アイドル」というものは「古いものの復活」という意味合いがあり、人間の命の不滅を表現するものに他ならないとしたのだ。アイドルというものは日本人にとって「ここ」「現在」を表現すると同時に、我々の過去に意味を与えるものであるとしていたのだ。

和辻哲郎は「寒さ」の研究を深めている。もともと人間が「寒さ」をどのように認識するかから議論は進んだが、実はこれが我々の「洋服」を作っているし「建物」なども作っている。さらには気候が食べ物を我々にもたらしているのだ。「洋服」「建物」は暑さの研究でも発展するかもしれないが、「寒さ」の研究に和辻は注目したのだ。


【つづく】


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