キムジョンウン~世界最悪の職業に就く
フォーリンアフェアーズの資料が6つほど出ていた。アメリカにとって興味のない国である北朝鮮も「キムジョンイルの死」だけは分析の対象になったようだ。ジョンイルは父に死の十年以上前から後継指名されていて、成人して以降、ずっと国家統治の経験を積むことが許された。しかし、ジョンウンは28歳と若く、軍の四つ星の階級章をもらった時も笑って喜んでいたという。しかし、彼には軍での経験は全くなかったのだ。ジョンウンは喪が明けたら、まずは「自分の身を守る」という仕事がある。嫉妬や羨望が彼の地位には付き纏う。それらからどのように身を守るのか。すでに、有力な参謀はいるが、チャンソンテクなどの動きが不透明とされる。だが、今、北朝鮮が内戦になれば、貧困と飢饉の国はたちまち韓国に飲み込まれる。これがキムジョンウンの立場を守るだろうとされる。どのような政争が展開されても、彼らは小さな船の共同体なのだ。アメリカや韓国は、この若い指導者(いまだ誰も将軍様とは呼んでいない)を相手に核の放棄を強く求めるとされる。そして、体制崩壊を悲劇的なものにしないということは周辺国の一致した思惑なのだ。中国やベトナムのような改革開放は、韓国の豊かさを北朝鮮の民衆が知ることを意味し、北朝鮮のエリートが地位を守ることはできない。また、中国も、朝鮮半島に「二つの豊かな国」ができることを望んではいない。いずれにせよ、キムジョンウンはこれらの難題を解決するには経験が少なすぎる。どのように、誰が、北朝鮮を豊かにするのかという難題を解決するのかは明確でない。やはり「核の放棄」「体制崩壊を悲劇的なものにしない」という二つに絞って周辺国は今後を見通すしかないのだ。
参考:フォーリンアフェアーズ英語版
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