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2011年12月 6日 (火)

フェミニズムの精神分析

「フェミニズムの精神分析」
http://plato.stanford.edu/entries/feminism-psychoanalysis/

の研究をすることにした。この研究の先駆者はフロイトであり、それに対する批判がなされることで議論が発展した。言語、法律、性差にまで研究は深まり、女性の主観、他者とのかかわり方、女性はなぜ孤立を恐れるのか、などの研究がなされた。
これが次のテーマとなる。

フロイトの精神分析は「無意識」という概念を確立しただけではなく「性」や「主観」に関する研究も深めたのだ。これらの研究が「自我」や「政治的な忠誠」、「個を超えたシンボリックなものへの忠誠」などの研究にまで発展している。フロイトは「女性の謎」「問題」として議論したため、そのような問題の立て方には飽き飽きしているという批判が浴びせられた。フロイトが若い女性タレントならば、それへの批判は既婚女性と言ったところだろうか。フロイトも真面目な議論をしていたのだ。ほとんど性に中立であった女児が、なぜ「女性らしさ」を身に着けるのであろうかという研究を行ったのだ。この「女性らしさ」の学習は本能によるものではなく「もろいもの」であるとしている。この「もろい女性らしさ」をフロイトは「女性の謎」と呼んだのだ。この女性らしさという概念は落ち着く場所を見出すのが非常に困難であり、生物学的・社会学的なアプローチがなされた。今だ確立していない「性のアイデンティティー」の研究はまさにフロイトが先駆者として提示したのだ。
フロイトは、個人の経験からなる「私」に注目したのであり、リベラルな政治理論や集団から構成される「私」を一般論として論じたのではなかった。言葉と社会、衝動とシンボリックな秩序などを論じたのだ。たとえば「衝動」というものは、「本能」とは異なり、何の特別な目的も持たずに存在するとした。本能は自然から由来する何かの目的があるとされ、それとは別に衝動には目的がないとしたのだ。
しかし、衝動と本能は深い関連をもつと考えた。性本能が、「満たされない」「欲望が困難や問題に直面する」「複雑化し困難さを増す」などすると人間には衝動が生まれると考えたのだ。フロイトはヒステリーについても研究した。その人の記憶や考えが体の変調がないにもかかわらずその人を病的にするものであるが、子供の頃の暴力的な経験から由来するのではないかとした。たとえば、早熟なセックスなどが、意識のもとに抑圧された記憶となって、ヒステリーを起こしやすくするとした。
フロイトは「誘惑理論」と「オイディブスコンプレックス」を主に議論している。オイディプスとは、父を殺して知らずに母を妻としたテーベの王であるが、男児はまずオイディプスコンプレックスを通じて「主体」としての地位を獲得する。それ以前は、男児も女児も「母親の付属物」なのだ。しかし、女児にはこれがない。しかし、男児も女児も「自慰行為」を学習し、その段階を経ることは共通である。男児は母親から興味の対象を他の異性に移していく。女児の場合はオイディプスコンプレックスを「経る」のではなく「その渦中に入っていく」とされる。女児にとって父親は「性的な脅威」でもあり「将来の経験を体現する男」でもある。女児は母親がもっていないものをもっている。男児は父親を英雄だと思って育つだろうが、女児にとって父親の存在は意味が異なる。
女児は「自分が男性からの興味の対象となっている」ことを学習する。これが男児と最も異なる点であると言っていい。
父と息子の関係は、父がこの世の女性を支配しており、息子がそれを奪うために戦争をするというモデルをフロイトは提示した。兄と弟は団結をし、父を殺そうとする「前政治的」な段階だとされる。この構図が、子供の「主観」を育むことになる。やがて、息子は政治的な秩序に飲み込まれていき、「父と息子」の関係は確立する。しかし、女児はこのような争いを行なっていないので、平和を志向するようになるとする。


【つづく】



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