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Foreign Affairs

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2011年9月23日 (金)

フォーリンアフェアーズ英語版~ダイジェストその9

「パレスチナ問題解決の公式なお葬式」
パレスチナの代表が国連へ加盟するという問題があるが、これにはアメリカが拒否権を用いる方向で動いている。いずれにせよ、オバマが提案した1967年の停戦ラインという提案は、イスラエルが占領した地域の70%以上をパレスチナが回復するという案であり、イスラエルは到底容認できないし、パレスチナも「これで解決したら再びイスラエルの侵略が起きる。オバマは問題を解決するつもりはない」と判断している。パレスチナの代表の国連加盟も、PLOが代表をすることから、「ヨルダン川西岸とガザ地区だけ」の代表となり、パレスチナの難民や移民を代表していない。つまり、パレスチナの三分の一の代表にしか過ぎないのだ。この経緯から、パレスチナ問題の解決は、長年の努力もとうとう「お葬式」を迎えたと言われている。事態は混迷を深め、結果的には「イスラエルとパレスチナ、つまり、エルサレムとラマラは永遠に争い続ける」ということになる運命のようだ。
フォーリンアフェアーズ「二つの国家の最終的なお葬式」
注)この記事は「パレスチナ問題」が恒久的に政治やジャーナリズムのメシのタネになることを意味することから、現場の記者がある種のむなしさを表現したものと思われる。パレスチナ関連の情報の翻訳を続けなければならない私も結構むなしいものがある。でも続けなければならない。

「イエメンの革命は乗っ取られた」
イエメンでの反政府運動は、チュニジアやエジプトに触発された形で起こったが、現在は、「3人のエリート」の争いになっているとされる。アルアーマー将軍と、ハミド・アルアーマー(将軍とは親族ではないそうだ)、そして、サレハ大統領の息子のアーメドの三人だ。アメリカ・イギリス・サウジアラビアという主要な「パワーブローカー」がこの国に関わっているが、サレハ大統領は爆弾による負傷でサウジアラビアで治療を受けていた。このサレハを、サウジアラビアはイエメンに戻すという選択を行っている。サレハを権力の座から引きずりおろそうという争いは収拾がつかなくなり、サレハは「パワーブローカー」諸国に権力の座にとどまることの承認を得ようとしたが、海外の資産を凍結されてしまった。民衆に銃を向けている以上仕方のないことだった。一方、ハミド・アルアーマーは、軍の一部を連れて民衆の側についた。民衆のエネルギーを活用して、大統領の座を狙っているのだ。ハミドの心にはインドネシアのスハルトの事例があるとされ「統制された混乱」によって権力を譲り受けようとしているとされる。サレハの息子も「共和制」を志向する勢力を指導している。10万人の民衆が主要都市に出ている現状から、イエメンは「破たん国家」になるのではないかともいわれている。この地域ではすでにソマリアがそうなっている。民衆の動向をにらみながら3人のエリートが対立している。それにパワーブローカーも現在のところ有効な手段を見いだせないというのがイエメンの現状なのだ。
フォーリンアフェアーズ「イエメンの革命は乗っ取られた」

「プーチンが戻ってくる」
2012年にロシアの大統領にプーチンが復帰することになった。今まで大統領だったメドベージェフは首相になる予定だ。今までのタンデム体制の立場を交換することになる。また、本来、力のある人が元の場所に戻るという意味合いがある。しかし、前回のプーチンの在任中とは状況が異なるのだ。「中国の膨張」「原油価格の下落」「海外にパートナーを必要としている」という3つの要素から、かつてのプーチンのような単独での強力なパワーを持つことはできないとされている。ロシアは「原油価格は最低でも1バレル125ドルは必要」というのが経済の現状だが、今は80ドル程度だ。一方のアメリカも、核軍縮にはロシアは乗ってくるだろうとみており、オバマはこれを軸にアフガニスタンでのロシアの協力を得たり、イランの核問題に向き合おうとしている。ロシアの人々は「将来の予測ができること」「国家の安定」「繁栄」を望んでいるというのが今までの発想だったが、今ではロシア国民の所得は10年前の倍になっており、これらの課題は「もはや当たり前」という状況なのだ。かつてのプーチンのイメージのままで次の大統領の任期を務めることはもはやできない。リーマンショックにおいても、G20の中で一番ダメージを受けたのはロシアだとされる。このことからロシアの財務大臣は積極財政に打って出て、財政収支を悪化させた。プーチンはその財務大臣を解任してしまったのだが、決して政策は誤りではない。また、極東、中央アジア、カスピ海、シベリアなど、かつて「ロシアが優越的支配を保持する地域」がすでに中国のものになりつつあるのだ。
いずれにせよ、来年からはふたたびプーチンがロシアの大統領であり、新しい環境でその職務を果たすことになるのだ。
フォーリンアフェアーズ「プーチンが戻ってくる」

「リー・クァン・ユーの遺産の破壊」
シンガポールの伝説的指導者、リー・クァン・ユーが、ここ数年の選挙で急激に力を失って、内閣の「名誉顧問」となってしまった。リー・クァン・ユーは「安定と繁栄と民主主義」をシンガポールにもたらしたが、もはや今の国民はその伝説を知らない。リー・クァン・ユーは「民主主義のバトンタッチは必ずしも安定と繁栄のバトンはつながない」「民主主義は好奇心を満たすが、より良い統治と、腐敗の防止、経済発展とは別の問題」と発言している。現在、リー・クァン・ユーの息子と、トニー・タン氏が大統領の座を争っているが、若い世代の指導者が抱える問題は多い。移民による町や公共機関での人の混雑、市場の冷え込みなどの問題を抱えていて、伝説的指導者が築き上げたものを正確に理解して、それを決して当たり前だと思わずに、シンガポールの「安定と繁栄」を維持できるのかは分からないとされている。
フォーリンアフェアーズ「リー・クァン・ユーの遺産の破壊」

「ペンタゴンとサイバースペース」
アメリカが軍の指揮系統にすでにコンピューターネットワークシステムを使用していることは知られているが、このようなサイバースペースを軍の指揮系統に使用している国は世界で30か国だとされる。それ以外の国は旧式の伝達システムを使用していることになる。このことから、「サイバー空間でのパールハーバー」が起きることが指摘され、オバマ大統領はペンタゴンに5億ドルの予算を割り当てて対策を練ることにした。ペンタゴンが民間の知識を借りるということは軍の機密情報を民間に分析させることを意味し、すでにその情報量はテラバイトの単位になって民間に知られている。このことから、アメリカ軍に対して悪意のある集団と「知識」が結び付かないようにするのも大事だし、いろんなセキュリティーシステムの構築が必要になるのだ。すでに、エストニアやグルジアでは「軍のサイバー攻撃」の被害が報告されており、決して想像上の問題にはとどまっていない。アメリカ軍の指揮系統を狂わせるということは、攻撃力を弱めることでもあり、「バイト」や「ビット」が「銃弾」や「爆弾」になることを意味する。戦争状態になったら、あらゆる「サイバー戦争」を想定しなければならないのである。
フォーリンアフェアーズ「ペンタゴンのサイバー戦略」

「パキスタン軍統合情報局(ISI)」
ムレン将軍がISIを指揮するようになってから、アフガニスタンの各勢力の和解に務めていたラバニ氏が暗殺され、また、パキスタンのアメリカ大使館が襲撃されるなどした。ハッカニネットワークというテロ組織が関与しているとも言われ、パキスタンは、アフガニスタンにおいて反パキスタンの立場の北部同盟だけでなく、アメリカとも敵対する意思表示を示したことになる。そのため、アメリカはもし、ISIがアメリカの大使館襲撃とハッカニとのつながりに関与しているのなら、何らかのレトリックでの対応が求められるようになる。公然と裏切った連中と付き合い続けるのには「説明」が必要なのだ。アフガニスタン政策にはアメリカは「パキスタンに依存しすぎである」とされ、もし、イランのチャーバハール港が整備されるのであれば、そのルートからアメリカはアフガニスタンに入れると言われる。今後の課題であろう。今現在は、パキスタンの各セクトに振り回されっぱなしなのが現状なのだ。北部同盟は反パキスタンの立場なので、インドのデリーも北部同盟寄りに動くことになる。今はパキスタンのムレン将軍がキーパーソンとなっているようだ。
フォーリンアフェアーズ「ムレンが掌握したISI」

「カタールのリビア介入の背景にあるもの」
カタールという小さな国が、エリートを擁することで、リビア問題の仲介役を務めた。なぜこのようなことが可能だったのだろうか。カタールはミラージュジェット機などを保有し、アメリカ空軍基地も協力的だ。しかし、基本的に「同時進行で多くの問題を背負うことはしない」とされており、リビアに関しても、反乱軍に味方した企業が石油を売り続け、アルジャジーラもインサイダー情報を報じ続け、リビアの制圧を成功させた。カタールは「シリアには介入する力はない」とも言われる。リビアのような広大な国土をもたないシリアは、リビアとは条件や複雑さが違うとされ、カタールのエリートも手を出さないのだ。
基本的に、イラク、ヒズボラ、ハマスなどの主要人物と交流を深め、西側とうまく行かない傾向のあるこれらの人物の仲介役を務めるのがカタールの主な仕事だとも言われる。そもそも、リビア問題のような大きな仕事をまとめる役割は求められていないのだ。
フォーリンアフェアーズ「カタールのリビア介入の背後にあるもの」

「アルジャジーラのカンファー氏の辞任」
アルジャジーラは、24時間のニュース放送を衛星を通じて行っている。1996年に創業し、それ以来、アラブ社会の情報をセンセーショナルに報じることで視聴者を獲得してきた。しかし、アラブの春は、たとえば、2009年に初めてアラビア語になったとされるフェイスブックなどを一気に普及させ、また、アルジャジーラももはや報道姿勢は中立ではない、という点が指摘されたりした。アラブ社会はもはや、情報が高くつき、非常に複雑化している。そんな中で、業績はいいとされているアルジャジーラの社長が辞任しているのだ。
フォーリンアフェアーズ「アルジャジーラのカンファー氏の辞任」

「パレスチナの国連加盟への困難な道」
パレスチナのアッバスが、アメリカの拒否権を抑えてでもパレスチナの国連加盟を目指している。しかし、オブザーバーになるにせよ、メンバーではない加盟国と説明されるにせよ、「仕組みを正確に理解していないのではないか」と指摘されるに至っている。いろんな交渉相手がいる中で「国連」というのは最後の言葉であり、それ以外に、何らかの有意義な選択肢だとは思えないのがこの国連加盟の問題だ。アッバスは、ラマラとブリュッセルの間で、パレスチナの英雄として「いつもの仕事」をしただけだとも言われ、問題の解決につながるとはだれも考えていないようだ。
フォーリンアフェアーズ「パレスチナの国連加盟への困難な道」





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