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2011年9月 5日 (月)

芸術の「独創性」について

カントは「ファインアートは天才がつくるものだ」としたが、「オリジナリティ(独創性)」に関しては、シブレイは「今の時代においては価値の一つの判断要素となっているに過ぎない」としているようだ。
絵画の評論に関しては、その感受性やたくみな表現力でその深度を深めたのはモンロー・ビアズリー(Monroe Beardsley)だとされる。評論の手法に関してはシブレイの本の第八章に書かれている。ビアズリーは、評論をするうえで3つの観点の重要性を指摘した。「作品の統一性」「複雑性」「その業界の価値が凝縮されていること」この3つを常に頭に入れていたとされる。
シブレイはこれに対して「ドラマティックさの凝縮」も存在するのではないかとした。たとえ単純なモチーフを描いたとしても、その業界での「誠実さ」「良心」「幅広い見識」を示すことは「ドラマティックさの凝縮」であり、なにも歴史的瞬間などを描くことのみを意味するのではないとしたのだ。
「それでもモナリザは独創的だ」
シブレイの「モナリザ論」を簡単に書きたいと思う。作品というのは、やはり誰が書いたか、いつの時代か、どういう背景があったか、を論じなければならないという視点が重要だ。モナリザはいろんな意味で時代に新しいものをもたらしている。色の配置や奥行、形、ラインだけでなく、背景にはダヴィンチの修練や技術が詰まっているのだ。たとえば、彼は、ブラシやパレットナイフというものをこの作品で絵画の世界に持ち込んでいる。そういう歴史的意義を研究するからこそ、模写とはエックス線を使ってまで区別しなければならないとするのだ。
芸術的評価というのは非常に面白いのです。ベニスの商人で有名な「シャイロックのセリフ」というのがありますね。「肉を何ポンド」がどうこうという。あれはなぜ歴史に残るセリフになったのでしょうか。答えは「あれほど憎しみの込められたセリフはいまだかつて表現されたことはない」と当時の人々に受け止められたからです。
私の学生時代の民法の先生、米倉明もその本質はご理解されていませんでした。一部の知識人だけが理解していたのです。
ピカソのキュービズムにせよ、印象派にせよ、いろんな画風はありましたが、「12トーンシステム」に支配されていたとされています。つまり、12トーンの絵の具しかなかったということなのです。それを混ぜ合わせることはできますが、分類としては「12トーンシステム」と呼ばれていたのです。
現代の画像処理技術はどうなんでしょうね。ご存知の方がいらしたら教えてもらいたいですね。
クラシック音楽というのも、作曲家は昔の人ばかりですね。なぜ現代にベートーベンに匹敵する作曲家は現れないのでしょうか。基本的な構図は「ハイドン・ベートーベン・ストラビンスキー・バルトーク」という「ハイドンカルテットと83人の後継者」が室内音楽の楽曲を作っています。当時の国家レベルの資金を投入してこれらの作曲家が音楽を作り上げたのです。そのため、「室内音楽において、同じ環境ならば、もはやこれ以上の作品は生まれない」と呼ばれる世界がクラシック音楽なのです。おカネの問題になってしまいます。

フランク・シブレイ「美へのアプローチ」


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