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Foreign Affairs

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2011年9月 2日 (金)

フォーリンアフェアーズ英語版~ダイジェストその7

「リビアと人道的介入の将来」
リビアにおいては、カダフィが統治権を失い、まさにオバマ政権の外交的大勝利に終わった。背景には、ロシアや中国があまりリビアと利害関係をもっていなかったことや、他のアラブ諸国も自国に体制不安を抱えていたことなどから、アメリカやNATO、国連が非常に活動しやすかったことがあり、また、スーダンと異なり、リビアは地政学的にも攻撃しやすく、人口が640万人と少なかったことなども挙げられる。しかし、このリビアへのアメリカの介入は「人道的介入」と位置付けられるが、当然、リビア国内での残虐行為を念頭に置いているわけである。どのような理由でアメリカはリビアに介入したのかの説明は意外と難しい。ソマリアでは飢饉で320万人が亡くなるとされているのに、なぜアメリカは動かないのだろうか。これは、政治的複雑性が異なっていたりして、結局「コストに見合わない」などの理由で説明するしかない。今回のオバマの大勝利とは裏腹に、将来もこの「人道的介入」が何度も繰り返されることは想定されていない。それほど、国際法上の正当化が難しい軍事行動なのだ。
フォーリンアフェアーズ「リビアと人道的介入の将来」

「アルカイダ~アッティヤの死」
ビンラディンが死んで、後継者はザワヒリだとされているが、アメリカはアッティヤの殺害に成功したことを重視している。アッティヤは、9・11テロ後の十周年に再び何かの成果を残そうという手紙をビンラディンに出していたことをアメリカがつかんでおり、その動向を注視していた。アッティヤは戦術家としていろんなことを学習していた。アルジェリアでは村を焼き払ったが、そのような行為は、恐怖を引き起こすけれども、同時に強烈な憎しみにさらされることを知った。また、イランが必ずしもイスラムのみに立脚するものではなく、機会主義的で、プラグマティズムにもとづいて行動していることも学習していた。この戦術家の殺害に成功したことは、アルカイダにとってどんな意味を持つだろうか。ザワヒリに「次はお前の番だ」というメッセージを送ることになり、また、アルカイダの戦術の弱体化ももはや免れないのだ。
フォーリンアフェアーズ「アルカイダ~アッティヤの死」

「リビアに民主的な選挙が根付くまで」
カダフィが政権を追われても、いまだに武装した連中が対峙しているのがリビアの現状だ。国連は、選挙までに18か月間は必要と見ている。第二次大戦後に、選挙を急いだ国ほどそのあとに内戦が起きていることに学んでいるのだ。対抗勢力のどちらかが武力ですでに敗北していれば内戦の可能性は半分になるが、しかし、選挙監視団が結論を急ぎすぎると60%の可能性で失敗すると言われている。また、地方分権と自治が進んでいれば、内戦の可能性は五分の一にまで減る。要は、リビアに市民社会を根付かせることが大事であり、カダフィが残した官僚機構と、石油による富を活用しながら、腐敗をなくすことが必要だ。国連は、憲法をつくるのに6~9か月は必要としており、さらに選挙に関するルールを決めるのにさらに6か月は見ている。最終的には選挙をやらなければならないが、その前提やタイミングを間違えると、再び内戦が起きてしまうということはすでに国連がデータとして学習しているのだ。
フォーリンアフェアーズ「リビアに民主的な選挙が根付くまで」

「ボコ・ハラーム~ナイジェリアのテロ集団」
ボコ・ハラームとは、ナイジェリアのイスラムセクトで、警察や政治家、他のセクトを2009年以降、暴力的に攻撃し始めた集団だ。ナイジェリアは北部にイスラムが住み、南部にキリスト教徒が住む。経済格差は大きく、北部の貧困は南部に比べて極度に悪い。政治的には、イスラムのエリートがナイジェリアデルタの石油利権を背景に地域振興を図ることで基盤を固めている。大統領はイスラムとキリスト教徒で交互にローテーションしているが、現在はキリスト教徒のジョナサンが大統領をやっている。ボコ・ハラームは、モハマド・ユースフが2002年に結成している。14世紀の思想家イブン・タミーヤの急進的な思想に影響を受け、進化論の否定や、銀行というシステムを認めないなどの特徴があるとされる。警察や政治の腐敗を徹底攻撃し、北部の学生や専門職の人、さらにはナイジェリアのエリートにも食い込んでいると言われている。警察を敵視し、バイクでヘルメットをかぶらないなどの反抗手段をとることが知られているが、司法に敵視され、800人が殺されて、ユースフの義理の父まで殺されたことから、組織は攻撃性を強めてしまった。腐敗や貧困が背景にあるだけにボコ・ハラームは混乱したナイジェリアでも「テロの温床」としてアルカイダともつながりを深めている。ナイジェリアはアフリカでもっとも人口の多い国で、1億5千万人が住み、350の民族がいて、250の言語が使用されている。南部のキリスト教徒と北部のイスラムの衝突だけでも1999年以降1万4千人が死亡している。しかし、ボコ・ハラームは、キリスト教徒よりもイスラム教徒を多く殺しているのだ。「国家の水準の向上」というスローガンは一致しているが、主張は必ずしも統一されておらず、政策も具体性を欠き、宗教色が強い。急進的なイスラムということだ。2011年に国連事務所を爆破し、国際社会はこの組織の危険性を認識した。ナイジェリアの混乱がボコ・ハラームを生み出し、国際社会が認識するに至ったのだ。
フォーリンアフェアーズ「ボコ・ハラーム」

「アフガニスタン侵略、今と昔」
アフガニスタンを侵略した国はことごとく失敗するという伝説がある。その原因を「アフガニスタンにおける戦争」という本で明らかにしたのがピーター・トムセン氏だった。この国は非常にローカルな地域の独特な風習をもち、中央集権国家を嫌う国だ。国家として統合されておらず、無秩序な状態だ。トムセンは1989~92年の反ソビエトジハードにワシントンから派遣された経験を持つ。すべての国から押し付けられたイデオロギーにこの国は抵抗するとされ、大胆な政治的変革や、この国の文化や風習を理解しない侵略は失敗するとトムセンは言う。極度に分権化され、暴力よりもコンセンサスが重視され、部族や身内だけを大事にするこの国では、国家と呼べる仕組みができたのは20世紀になってからなのだ。カブールはしかし、全土を掌握しているとは言えない。そんな国に、ラムズフェルドは「欲しくはない国」であるアフガニスタンを侵略している。アフガニスタンの3000年の歴史を振り返ってみよう。ギリシャ・ローマ・匈奴・モンゴル・ムガール・ペルシャ・トルコなどが侵略したが、最初は強大な力で制圧しても、来た時よりも多くのものを失って帰っていくというパターンをすべての国が繰り返している。唯一、1939年の英国が、インドとソビエトの緩衝地帯として傀儡政権を立てるという作戦をとったことがある。この時ですら、16000人で訪れた英国軍は、1942年の内戦で「生還者一名」という結果に終わっている。英国はアフガニスタンで同じことを三度繰り返した。1979年のソビエトのアフガニスタン侵攻においても、最初は歓喜の声が上がったが、マルクスレーニン主義がこの国で反発を受けた。アフガニスタンには「プロレタリアート」と呼べる人がいないとされていた。ソ連は絨毯爆撃を繰り返したりした。モスクワは統治の失敗を悟り、傀儡政権を立てたが、ことごとく裏切りが続いた。クリントン政権は、アフガニスタンに関心がなく、「何か起きたら対応する」という政策をとった。アメリカのアフガニスタン政策の失敗は「パキスタンに頼りすぎる」ことにもあるとされる。世界で五番目に核兵器技術が豊富なパキスタンはCIAも利用しやすいが、テロの温床ともなってしまうのだ。パキスタンのカイバル峠とスピンボルダックしかアフガニスタンに入る道はないとも言われ、パキスタンがこれをうまく活用している。このようなアフガニスタンを周辺国がうまく統治する可能性があるとすれば、アフガニスタン内部に「正直で有効な」統治機構が必要とされ、「常識」という当たり前のことがまかりとおらなければならないとされる。そういうレベルから国家をまとめていかなければならないのが現状なのだ。
フォーリンアフェアーズ「アフガニスタン侵略、今と昔」

「アフガニスタン~その地をならす戦争」
第二次世界大戦においては、60%のアメリカ人が週に一度、映画館に足を運び、戦争映画を堪能し、これが戦意発揚の効果を上げた。ベトナム戦争のときはテレビが普及し、各局が「血が流れたのなら報道する」という姿勢をとったため、6万人の死者を出したベトナム戦争は「不人気の戦争」となった。今のペンタゴンは、「ジャーナリストは兵士と行動を共にさせる」という方針をとり、兵士は「プロデューサーでもある」と自負して、戦闘シーンを撮影させているのだ。このようにして撮影された戦闘シーンがインターネットに流れ、デンマークの兵士が、タリバン兵を殺害し「冷静さが勝敗を分けた」と親指を立てて語ったシーンに平和に暮らしている本国の世論は激高した。今のアフガニスタンでの戦闘では「英雄になる将軍」はいないとされ、上官も下士官も同じ危険に身をさらしている。「攻撃されたら反撃するだけ」というポリシーのもとに、基本的に、この地域を豊かにすることが味方を増やす、と考えているのだ。その意思をその地域の住民に複雑な言語で翻訳して伝えているのだが、地域の住民は「タリバンについて語ったらのどを切られる」と考えているのだ。アメリカ兵は「アフガニスタンを豊かにするという方針を伝えるのは構わないが、現地住民と行動を共にしてはいけない」ということも学習している。武器や軍事技術ではアメリカは明らかに他を圧倒する技術をもっている。そのため、アフガニスタンにはもはや「テロリストの聖域」はないとされ、パキスタンでタリバンやアルカイダはアフガニスタンの戦争をコントロールしている。ベトナム戦争では8万人のベトコンがいたので、アメリカは一般市民まで殺したが、今は「攻撃されたら反撃する」という政策を明確にするだけの力をアメリカは持っている。しかし、アフガニスタンの地域住民を味方につけるだけの知識がないのだ。お金だけでは解決しない。その地を知り尽くしているタリバンには資金力だけでは勝てない。ゲーツ国防長官は「アフガニスタンほど困難な戦術を求められる地はなく、今後のアメリカのアジア・アフリカ・中東での米軍の展開を考えるうえでは、この教訓を知らない人間には戦術を立てることは不可能」とまで言わせている。
フォーリンアフェアーズ「その地をならす戦争」

「グローバリゼーションと失業」
グローバリゼーションは、市場が一つになることだが、輸送や通信のコストが安くなったことや、人間が作り出す「壁」が低くなったことなどが背景にある。輸入製品の価格が安くなることは輸出国と輸入国の双方に利益になる。しかし、経済発展はその国の構造まで変えてしまう。世界の人口の40%を占める中国とインドが世界の労働市場の構造を決めてしまうとも言われる。これらの国は、今後は何らかの付加価値を付けた製品を売ろうとしている。30年前までは先進国の特権だったものだ。インドと中国の労働市場や雇用形態の考察抜きには、日本の雇用を語ることはできないのだ。
フォーリンアフェアーズ「グローバリゼーションと失業」





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