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Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

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2011年8月17日 (水)

フォーリンアフェアーズ英語版~ダイジェストその5

「アメリカの軍資金の調達方法」
オバマが現在、執務時間の多くを米国債の問題に割いているとされるが、これはアメリカが戦争の資金をどこから出しているかの歴史と深くかかわっている。アフガニスタンとイラクでの戦争ではすでに1670億ドルを費やしており、これは退役軍人の年金を除いた金額だ。最終的には3兆ドルにものぼるとされている。これらの資金をアメリカが国債により調達していたことが大きな問題だ。歴史を通してみると、アメリカの戦争の歴史は税金の歴史だったのだ。1812年の米英戦争で、関税の値上げと固定資産税を導入し、南北戦争では所得税を導入した。また、この時に北軍は3%の消費税を課している。1898年の米西戦争では、土地家屋税と電話税を課している。第一次大戦では、かつてない規模の戦争になったため、320億ドルを費やしている。このときに、所得税の大幅拡張と、相続税、法人税を課している。第二次世界大戦ではまさに総力戦となった。2000億ドルを費やしている。軍事予算はGDPの37%を占め、歳出の90%を占めた。必死だったのはアメリカも同じだった。朝鮮戦争の時に、ホワイトハウス報道官のサム・レイバーンが「戦地に赴いている我が息子たちが、戦場から帰ってきたときに戦費を払うのが国債という仕組みだ」とこの制度を批判し、アメリカの総意となっている。9・11テロが起きるまでは、アメリカは戦費調達は税金で行ってきたのであり、国債による調達を始めたのはアフガン・イラクでの戦争からである。
オバマが現在、どんな問題に頭を悩ませているのかを端的に示している。
フォーリンアフェアーズ「戦費の調達」

「アメリカの歳出削減の世界への影響」
オバマは8月2日に議会との話し合いで財政赤字のコントロールに関する署名を行っている。10年間で1兆ドルの歳出削減を行い、その中での軍事予算は3500億ドルを占める。これがアメリカの外交政策に影響を与え、アメリカの世界への影響力の限界を設定するのは明らかだ。歳月は何を変えたのだろうか。数年前から「アメリカはすでに自分たちの領域の限界を越えているのではないか」という指摘はあった。今後10年間でアメリカの諸外国へ与える影響力は低下するのは間違いない。アメリカには社会保障制度や医療制度への資金も必要なのだ。アメリカが、冷戦時代や9・11テロ後の軍事予算の支出を「感情」に依存していたのは間違いない。実際の危険以上のおカネを使っている。さらに、どの政治ファクターも国防総省に好意的ではなく、優先順位を上位には位置づけていない。ティーパーティーというのがあったが、あれは「小さな政府の実現と軍事予算の削減」を主張したものだ。それでもアメリカは冷戦後に、ハイチ・コソボ・ボスニア・アフガニスタン・イラクなどに戦線を広げていた。アメリカのドルはいまだに世界の基軸通貨であり、世界で最も豊かでオープンな市場をもっている。また、アメリカ海軍は「太平洋」「大西洋」という二つの大きな航路の安全を守っているのだ。ペルシャ湾の石油の輸送も守っている。アメリカが世界の安全に果たす役割は果てしなく大きく、それが現在「財源」という問題にさらされているのだ。
フォーリンアフェアーズ「アメリカの歳出削減」

「ロンドンの暴動」
1981年にサッチャー政権は、新自由主義の政策が貧困層に不満をもたらすのを感じ、警察力の強化へと資金を流し、人員を増やしている。これがロンドンのブリクストンやリバプールのみに暴動がとどまった背景にあった。今のキャメロン政権は「大きな社会」という政策を掲げ、警察・軍事まで予算を削減してしまったため、暴動が止められなかったという構図がある。アメリカはイギリス各地に飛び火した暴動を「ブリクストンの子供たち」とキャメロンの政策の失敗を皮肉っている。1981年にはダイアナ妃のロイヤルウエディングがあり、翌年にはフォークランド紛争があった。今は、ウィリアム王子のウェディングがあり、アフガニスタン戦争がある。いろんな意味で「ブリクストンの子供たち」は当時と比較される存在なのだ。
フォーリンアフェアーズ「ブリクストンの息子」

「経済格差とどう向き合うか」
グローバル化を迎えた今日では「経済格差」という問題が最重要テーマとして国際社会で共有されている。これはなぜだろうか。昔だって経済格差はあった。しかし、古くは「隣町の事情すら知らない」という情報の問題から、この問題はクローズアップされなかったし、産業革命以降は、資本主義のメンタリティーとして「成金が散財してくれる」という発想が根付いていて経済格差はあまり標的にはならなかった。今では、優れたテニスプレーヤーがスーパープレイを見せることで人々に富への納得を得たり、また、上の人たちはどんな暮らしをしているのだろうと情報を公にすることでむしろ庶民の夢をかきたてている。アメリカも、チュニジアやエジプトと同じぐらい格差はあるのだ。研究から明らかになっているのは、「汚職や腐敗」「失業」が人々の格差への怒りに火をつけるとされている。国際社会がチュニジアやエジプトから学んだのは「いかに平等にするか」「いかに失業率を下げるか」「いかに腐敗や汚職をなくすか」の三つなのだ。これを忘れた国は民衆が暴徒と化すことを忘れてはならない。
フォーリンアフェアーズ「経済格差と不満」

「デリーからの手紙」
インドの中心部の町並みは汚い。ビルのわきにはゴミが積みあがっている。さて、ここで、子供が空き瓶を三本集めたらバスに乗れるお金に換えられるという仕組みがあるとしよう。これがまさにインドのリサイクル産業の根本の発想だ。しかし、インドのゴミのリサイクル産業はあくまでも非公認のものなのだ。政府が本格的に推進しているものではない。世界ではリサイクル産業は4110億ドル産業だが、インドにはまさにこの分野で発展の可能性があるのだ。消費者向けの製品や、建築資材、紙などをより安価に提供でき、読み終えた新聞紙すら海外に輸出できる。インドや中国で特にゴミのリサイクル産業の発展の可能性がある。しかし、ゴミのリサイクル産業の現場は基本的に「汚い仕事」なのだ。働いている人の健康を害することもあるし、職場は悪臭や汚れがひどい。人権問題にも発展しかねない。こうした、発展の可能性のあるビジネスにともなうあらゆる問題を解決するには、こうしたビジネスを公的機関が積極的に支えなければならないと思われる。そうすれば、高い機械の導入も可能になるし、働いている人の職場環境も向上する。インドのグジャラート地方の港には船の解体作業所があるが、インド政府はこれを認めていない。もしここが公的に発展すれば日本ですらそこを利用するだろうとされている。現に日本政府もその方向で働きかけているのだ。この業界の安定化と環境問題をクリアーするためには、時間とお金と忍耐強さが必要なのだ。
フォーリンアフェアーズ「デリーからの手紙」

「オバマのダマスカスにおける選択肢」
シリアのアサドが民衆の暴動を暴力によって制圧している。このことが、トルコ・イラン・アメリカの関係を非常に複雑にした。オバマはこの地域のキーファクターをトルコのエルドガンだと考え、トルコと緊密に連携した。トルコは、アラブの春での民主化を支持して影響力を強めていたのだ。トルコは、しかし、「アサドは友人である」とし、体制を維持したままの改革を支持していた。ヒラリー国務長官は「アサドはすでに正統性を失っている」と発言したり「体制を維持したままの改革をすべきだ」などと態度を変えるしかなかった。トルコの中東政策は「問題のない中東」というものだった。それでありながら、シリア・イランとの緊密な関係を維持し、また、アメリカの仲介役を果たして影響力を強めようとしていた。しかし、トルコが、果たしてシリアの民衆と仲良くやれるのだろうかという問題があり、むしろ、シリアのアサドが退いたら「問題のない中東」ではなくなってしまう。また、アメリカが「シリアにおける暴動での死者」を最も批判しており、アメリカの意向にしたがうとイランがトルコに怒りを感じてしまうのだ。トルコはイランとの緊密な関係は生命線だ。アンカラ・テヘラン・ワシントンのトライアングルは非常に複雑化した。両立できないものが存在してしまったのだ。情報機関もかなり複雑に介入したが、結局、オバマはトルコを過大評価しすぎたことになった。この地域の強烈な力はトルコにはなかった。アメリカだけが何らかの対応を取れる国だったのだ。
フォーリンアフェアーズ「オバマのダマスカスへのオプション」

「リビアの反乱軍は持ちこたえられるか」
リビアのカダフィがトリポリにいまだ存在し、忠誠を誓う者たちはいるが、確実に資金力を失って行っている。しかし、反乱軍もベンガジで6か月間対峙している。オバマは何らかの軍事行動をとる条件に、財政的な理由から「数日間だ。数週間ではダメだ」と言っている。反乱軍はあまりにも長い時間をかけすぎたのだ。彼らの不利な点は法制度が整っていないことだ。今、リビアに必要なのは、将来の展望を示せる政権であることと、指導者としての人物像を示せる人だ。そもそも、カダフィ政権の強権的手法から反乱が起きているのだからもとの体制に戻ることはおそらくないだろう。しかし、トリポリの統治下にある地域の人たちは、新政権の法制度が不透明なため、自分たちの財産が保障されないという不安をもっている。反乱軍の指導者ですでに暗殺されたものがおり、先日葬儀が行われた。新政権でも指導的立場に立つのは部族間での思惑から命がかかることになる。シナリオとしては、カダフィやその側近を国外に逃がして、新政権で統一することだろうが、これは、革命での勝利であるものの、旧体制派との共存という事実上の敗北を意味する。中立派や周辺国の動向という予測不能な事態を待ちながら、双方ともに力を落として行っているのが今のリビア情勢なのだ。
フォーリンアフェアーズ「反乱軍は持ちこたえられるか」

「EUの政治的統合のジレンマ」
ドイツのメルケルと、フランスのサルコジがユーロゾーンサミットで、イタリアとスペインの国債問題について話し合った。そこでは、ヨーロッパ中央銀行が公債を発行できるようにしたらどうかということが話し合われた。EUは現在、二つの選択肢が求められている。「政治的統合をさらに強化するか」という選択肢と、「12年かけて構築した統合通貨を解消するか」という選択肢だ。イタリアとスペインの財政問題は、今までの対応とは規模が異なる。大事なのは、一番経済力が強いとされるドイツがヨーロッパ中央銀行を辛抱強く支え続けることと、マーケットの投資家のマインドが債券市場から離れないように気を付けることだとされる。ドイツがカギを握っているのだ。イタリアは緊縮財政を政策として打ち出したが、この国はそもそも構造改革が求められていて、競争力を強化しなければならない。雇用の柔軟性がないことなどが指摘されている。スペインも国内の金融不安を解消しなければならず、今までの対策で十分とは言えない。いずれにせよ、イタリアとスペインがEUやIMFに助けを求めてきたら、外部から明確な改革案を提示することにならざるを得ない。
フォーリンアフェアーズ「EUの政治的統合のジレンマ」

「米中関係の活発化」
アメリカのバイデン副大統領が、8月17日に中国を訪問し、次世代の中国の指導者である習近平と会談した。習近平は2012年に中国共産党のトップに立つことが予定されており、2013年3月には国家主席になる。バイデンの目的は、アメリカ経済が非常に安定していることを直接会って伝えることだったとされる。中国は1・2兆ドルのアメリカ国債を保有しており、これを市場に放出されると、それを吸収するだけの資金力を持ったファクターがいないことから、バイデンは「緊縮財政」と「景気回復」を強調した。一方、習近平は、アメリカの「大量消費型」の経済を戒め、「貯蓄に回したほうがいい」と発言した。これは、アメリカが貯蓄をするようになれば、他の国が輸入と消費という行動をとることから、中国経済にメリットがあるという分析のようだ。中国がなぜアメリカ国債を保有するのかという問題があるが、主要目的は「台湾に武器を売らせない」ことだとされる。また「極東地域においてアメリカの国益に反する行動へとアメリカを誘導することが可能である」と考えているとも言われる。あとは、貿易の自由化やサイバー攻撃撃退への協力などの話題で会談を終えている。なお、中国経済は現在まさに不動産バブルであり、金融機関の貸出残高が対GDP比で120%であることなどが指摘されている。この会談で、オバマ政権は「中国の覇権主義を痛感し、台湾に武器が必要であることを思い知った」とも言われている。
フォーリンアフェアーズ「米中関係の活発化」





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