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2011年8月 1日 (月)

ジャック・デリダ~フランス哲学のモンスター

ワケわからないけど殺し文句として使われる著名な哲学者だと思うだろう。実際に、戦後のフランスでは哲学の猛者が8人ぐらいいて、そのモンスターたちの洗礼を受けているのがデリダなのだ。彼は、人々が同じ出来事に同じリアクションをするのは「機械とどう違うのだろう」と考えたり、以前経験したことの蓄積から今後が予測できるのはなぜだろうなどと探求した。また、秘密を共有するというのは仲間の証であり、宇多田ヒカルの"Can you keep a secret."もデリダの聞きかじりから作品ができている。俺は、民主制は広がりをもつことを志向していて、情報の共有から始まり、決定するのに時間がかかるが、君主制は、秘密裏に事が運び、判断が非常に速いというデリダの指摘を受けて、俺の行動方針を決定したくらいだ。君主ファクターがおのずと定まるのだ。デリダにとって「最悪」とは、他人が自分の示した方向を見ている、自分の考え以上のことを言わない、満足いく答えしか返ってこないことである、とする。つまり、「大勢」であることを抹殺する「単一性」を「暴力」と呼んだのだ。デリダの言う「最悪」とは「純粋な現実」であり、神であり、地球であり、とにかく「一つ」であることだった。デリダは2004年に亡くなっているが、2001年の9・11テロは目撃していた。彼は「グローバリゼーション」というものが「単一性」を志向していて、これ自体が暴力であるとし、テロリズムはこの文脈で起こったものだと説明したのだ。デリダは「グローバリゼーションには人々は、まるで機械のように、遺伝子が自動的に拒絶するだろう」と言ったのだ。彼は「自分自身」に大勢の他人をも含めてしまうことを「単なる自分だけの自殺にとどまらない集団自殺」と呼んだのだ。現在の国際情勢を最近まで注視していた哲学者だった。デリダは、「忠誠心や知識」「宗教」といったものを、この「最悪」である単一性からどのように解決したらいいのかを探求した。人はもっと他人と距離を置いて対話をすべきであり、神とすら距離を適切に置くべきであるとしたのだ。そのうえで、彼は他者とのかかわりは「手厚いもてなし」(ホスピタリティー)によって行うべきではないかとした。
デリダは、プラトンを徹底攻撃することから「脱構築」の議論を始めている。プラトンは「見えないものや記述されたもの」を「見えるものや感じるもの」よりもすぐれたものとして「対になっている」としたのだが、同様に「本質と外見」「霊魂と肉体」「生き生きとした記憶とうすれゆく記憶」「声と文字」「究極の善と悪」などと「1対1」で対置している。一つのものに対して「一つのもの」しか対置できなかったプラトンを攻撃したのだ。デリダは、法に正義を求めるうえでも、あくまでも「今」の正義か正義でないかしか判断できないとした。その判断も批判にさらされて新たな正義を探求しなければならないとしたのだ。人間は判断できないことを判断しなければならない。そもそも「地平」というものが夜明けを待つものであり、まだ夜明けの来ない暗い中で限られた知識で判断をせかされている。それが人間の「判断」であるとするのだ。法律の世界にデリダはそれを見出している。それはあらゆる分野に広がりをもつ考えだったのだ。

デリダについて日本のわけのわからん議論をスルーしたい人はスタンフォード哲学を読みましょう。
「ジャック・デリダ」スタンフォード哲学百科事典



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