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Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

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2011年8月 8日 (月)

フォーリンアフェアーズ英語版~ダイジェスト4

「アメリカのアフガニスタン撤退作戦」
アメリカが6月にアフガニスタンからのアメリカ軍撤退を開始すると発表した。これは主にアメリカの利益を考えて決定されたものだとされるが、どのような影響をアフガニスタンにもたらすのかは検証が必要だ。
まず、アフガニスタンに「自分たちの国を良くしよう」という意識が芽生えるだろうとされている。今までは、政治的なあらゆる不満にアメリカがスケープゴートにされてきたのだ。これからは、彼ら自身の責任で統治作用を行わなければならない。また、現在のカルザイ政権も、うまくタリバンの力を活用しなければならない。タリバンはアメリカに2002年に政権を追われているが、アメリカ軍の介入がタリバンをむしろ強化してしまったのだ。トラックの輸送一つをとっても、アメリカは数十億ドルを投入しているが、タリバンへの賄賂に使われたり、トラックの安全を保障する目的で金銭がタリバンに流れたりしている。また、タリバンは宗教を前面に出すことがあまり評判がよくないことを学習し、アフガニスタンという国家の名誉を前面に出す作戦をとって支持を集めた。また、貧しい若者は、政治的な理由よりもお金目的でタリバンに参加しているとされる。アメリカがアフガニスタンにいる限り、タリバンはどんどん強くなっていったのだ。アフガニスタンの撤退で、アメリカはどのような利益を得るだろうか。主要なメリットは「カブールに基地を確保する」ということだ。その見返りに、アメリカはカブール銀行に資金を流したり、いろいろな手段をとるとされる。NATOがISAFとしてアフガニスタンに展開しているが、リスボンサミットでこの問題は解決済みだ。
しかし、このような思惑はあるものの、長期的に見たら、カルザイ現政権の弱体化は免れないとされる。タリバンはアメリカの撤退を「勝利」と位置付け、徹底的に宣伝するのは明らかであり、また、今後のアフガニスタンでの政治にタリバンの影響力は強烈な力をもつことになる。アフガニスタンの不安定さはアメリカの撤退によっても変わらないとも言われ、国際政治の駆け引きの困難さを感じさせる。
フォーリンアフェアーズ「撤退作戦」

「ジェネリック医薬品と国際社会」
製薬会社は、薬の開発に8~10年ぐらいかけて、それでも特許は20年しか保有できない。その間に、同じ薬を他の製薬会社が開発することは禁止することができる。しかし、ブラジルなどがそのようなルールは貧しい人々を救うことができないとして無視していたのだ。ところが、1994年のWTOで知的財産権の取り決めがなされ、多くの国が「TRIPs」に加盟したため、このWTOルールは「知的財産のゲームを変えた」とも言われている。強制力をもったライセンスがなければ20年間はどの製薬会社も特許に守られた薬を作ることはできないのだ。現在、HIVやガンなどに集中的に投資がなされているし、マラリアや結核などにも莫大な投資がなされている。製薬業界は世界規模では8千億ドルの市場であり、データをとってみると、特許が切れて類似の薬を開発した医薬品(ジェネリック)の値段は40%~60%ほど安くなるとされ、市場シェアはすでに80%を占めているが、利益は25%ほどなのだ。つまり、あくまでも儲かるのはライセンスをもった製薬会社が作る医薬品だ。2012年には世界で最も富を生み出す20種類の薬のうち12種類のものが特許が切れるとされている。ジェネリック医薬品が国際社会でもつ重要性は高まるのは間違いない。しかし、製薬業界そのものの豊かさは確保されず、デング熱などのマイナーな分野へあえて投資しようという資金の問題にもつながるのである。
フォーリンアフェアーズ「ジェネリック医薬品に関する議論」

「テルアヴィヴのテント集会」
イスラエルのテルアヴィヴでは、現在、30万人規模の政府を批判するテント集会が開かれている。これはここ数十年で最大規模であり、今までは安全保障問題がこの国の課題だったが、今回は社会問題が争点となっているのだ。子供を育てるための医療費が高かったり、住宅の価格が「課税前の給料の132か月分」であるなど世界でもワースト記録をもっている。そのような社会問題から、フェイスブックを通じて人々が集まり始め、現在では30万人が「我々の中には医者もウェイトレスもいる」といって、三食の食事がとれるテントなども確保している。こうした運動を政権側は「腐敗した左翼活動」「安っぽいチェゲバラ」などと言って静観しているが、世論の87%がこの運動を支持しているのだ。1990年代からイスラエルは、ネタニヤフやバラク、リーバマンといった指導者が政権を担ってきたが、パレスチナ問題は現在停滞しており、一方では、経済格差が生まれている。イスラエル経済そのものは非常に強いとされている。経済成長率4・6%を誇り、失業率は6%にすぎない。しかし、中産階級に不満が高まったのだ。鉄道や教育、医療にあまりにも政府は無関心すぎた。イスラエルで作られているオリーブオイルが、イスラエルよりもイギリスで安く買えるなど、経済発展の推進力となってきた自由貿易にも疑問を呈する声がある。イスラエル政権側としては、このようなテント小屋の声を「うまく投票箱に向ける」以外に事態の打開は考えられないとされているのだ。
フォーリンアフェアーズ「テルアヴィヴのテント暴動」

「トルコの軍人のジレンマ」
トルコでは、軍が政治のコントロールを受けるという「普通の民主主義」が採用され、基本的には軍事政権なのだ。軍人はケマル・アタテュルクを尊敬し「人々の意思に反しても人々のために」をスローガンにする。しかし、イスラムやクルド人を巧みに抑え込んできたのだ。イスラムでAKPというイスラム政党が支持を伸ばしたことが、トルコの民主主義と軍事政権をジレンマに追い込んだ。非常に人気のある首相であるエルドガンが、イスラムであるアブドラ・ギュルを大統領に指名したのだ。このことから、エルゲネコンがクーデターを企てた。現在は、十人に一人の軍人が牢屋に入れられ、半分の司令官も同様に牢屋に入れられるという異常な事態になっている。エルドガン首相がどんなに人気があっても、彼は、クルド問題に答えを出さなければならないし、人権や言論の自由がある国であることを証明しないといけないのだ。これが、ここ半世紀で最も人気のある首相に課された課題となっている。
フォーリンアフェアーズ「トルコの軍人のジレンマ」

「市場の混乱とアメリカ外交」
スタンダード&プアーズがアメリカ国債の格下げを発表した。S&Pは「何も新しいことは言っていない」とされるが、格下げというメッセージを市場に出したのだ。このことから、現在、オバマ大統領は執務時間の大部分をこのアメリカ国債の問題に割いているとされている。この問題は、EUの財政問題とも深くかかわっており、また、大量にアメリカ国債を保有している中国すら「なぜアメリカ国債を保有するのか」ということが問われることになりかねない。アメリカは依然として世界の超大国であるが、この格下げを「その終わりの徴候」と見る人もいる。この問題はしかし、2008年から2009年のクレジットの危機という特殊な事情から始まっているのだ。景気の循環ではない経済問題が背景にある。そういう運の悪さがオバマにはあった。アメリカ議会は、デフォルト回避にすら当初は「ノー」といっており、オバマをてこずらせた。しかし、現在は、アメリカ議会はオバマと対立しながらも、チェックアンドバランスをうまく機能させているとされる。アラブの春の民主化は、アメリカにとっても好ましいことではあるが、決してアメリカがコントロールしたわけではない。エジプトの体制の行方にもアメリカが介入できるかは不透明だ。アメリカ国債の格下げが外交力に影響を与えるのは間違いないのだ。結局、内政面で見たら、アメリカ国債の格下げは、ホワイトハウス支持派にとっては「ティーパーティーの格下げ」であり、共和党支持派にとっては「オバマの格下げ」に他ならないのだ。
フォーリンアフェアーズ「市場の混乱とアメリカの外交」

「コートジボワールでの民主主義の防衛」
2010年に大統領選挙でワタラ氏がバボ氏に勝ったが、バボは大統領府を明け渡さなかった。そのために、国連軍とフランスが大統領府を爆撃している。この地はかつてのフランスの植民地であり、コートジボワールの人々は「フランスの長い影」が再び及ぶのではないかと考えている。しかし、選挙の結果を適正に政治に反映させることを目的としており、すでにワタラ氏は、内戦でもアビジャンの9割を制圧しているとされ、主な企業もワタラ氏に味方しているとされる。選挙で勝っても政権が動かないことに業を煮やした元宗主国の行動であった。
フォーリンアフェアーズ「コートジボワールでの民主主義の防衛」





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