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Foreign Affairs

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2011年7月28日 (木)

フォーリンアフェアーズ英語版~ダイジェスト3

「ヒズボラ:詐欺集団」
ヒズボラはレバノンが新政権を立ち上げて、この国での排除を決めたことから、生き残りをかけた闘争が始まった。スポンサーであるイランが経済が後退しており、シリアも政治的混乱にある。レバノンは軍事国家であり、4万発のロケットを保有する。国家を敵にすることの意味は大きい。ヒズボラは、それ以外にも犯罪行為を収入源にしている。クレジットカード詐欺やマネーロンダリングをはじめ、アメリカでもノースカロライナでタバコの密輸で150万ドルをもうけていたのが明らかになっている。ヒズボラは、巨大犯罪ネットワークを構築しており、一千万ドルを毎年稼いている。イランやシリアは資金を出すだけではなく、ヒズボラを政治ファクターとみなして訴追を行わないなどの対処もとってきた。イランが石油価格が高騰した時に2億ドルをヒズボラに流したため、ヒズボラはレバノンの破壊された町の再建に資金を投入してレバノンで支持を拡大した。選挙の時にはイランは6億ドルを流すこともあった。ヒズボラの政敵はサウジアラビアの支援を受けたスンニ派の勢力だった。2009年に石油価格が下落を始めた。イランでインフレが起こり、経済が停滞した。イランからヒズボラに流れる資金は40%減ったとイスラエルのインテリジェンスは分析している。ヒズボラは資金源を犯罪行為へと比重を移していったのだ。タリバンとの結びつきを強め、タリバンの麻薬取引にも関与するようになった。地対空ミサイルや、対戦車ミサイル、グリネードランチャー、AK-47、M-16、何でも売ったのだ。コロンビア、レバノン、パナマ、西アフリカ、どこででもビジネスを展開した。ヨーロッパ各国は、個別の犯罪には対応するが、ヒズボラを「テロ組織」とは認定していない。アルゼンチン・ブラジル・パラグアイの三か国が国境を接する地帯を巧みに利用して拘束を免れているとも言われ、アメリカはこの三か国に個別の犯罪で逮捕するという条件で、ヒズボラの資金源を断とうとしている。また、レバノン首相の暗殺でもヒズボラを追い詰めて行っているのだ。
フォーリンアフェアーズ「ヒズボラ:詐欺集団」

「ナイルのイスタンブール~エジプトがトルコの真似をできない理由」
エジプトでムバラク大統領が権力の座を失ってから、過渡的な軍事政権が樹立したが、中東においてうまく軍事政権を民主主義と共存させているトルコをモデルにしようという研究がなされた。しかし、民主主義を確立してアラブの春を支持し続けて存在感を高めたトルコと、エジプトの軍事政権では「本質が異なるのではないか」と指摘される。トルコは軍事政権を確立しているが、イスラム系・クルド系の活動家をうまく抑え込みながら、一方で、富を独占している同族企業を存続させたりしている。そもそも、法曹界の支持や、メディアの支持、その他の政治家の支持があるからトルコは軍事政権をうまく民主主義と調和させている。基本には、軍人には「ケマル・アタテュルクへの尊敬」があるから、支持が広がっているとされ、教育システムまで軍が掌握することが容認されている。エジプトではどうであろうか。軍は、農業・不動産・観光・航空・小売業・製造業、そしてもちろん軍事産業にまで関わっている。トルコのように「富をもっている人たちとのバランス」をまったく成立させていないのだ。また、トルコは憲法に軍の統治を組み込んでいるが、エジプトは、人民が憲法に軍の統治を組み込まなければ憲法上の正当化もできないとされる。それはもはや「統治」ではなく「支配」となってしまう。エジプトには、体制の変革に動いた様々な勢力がおり、軍に近いのはイスラムの人々だったとされる。しかし、イスラムを基盤にするにはあまりにも勢力が弱すぎるとされ、逆に他の勢力に基盤を広げることはイスラムの離反も招くことになる。トルコが今まで克服してきた、反体制勢力の抑え込みや経済問題の克服、暴力の鎮圧など多くのことを、今のエジプトの軍事政権に要求するのは不可能とされる。今のエジプトの先行きは非常に不安定かつ不透明となっているのが現状なのだ。
フォーリンアフェアーズ「ナイルのイスタンブール」

「戦時中のレイプの研究」
リビアのカダフィが、NATOの攻撃や内戦の過程で多くの女性がレイプされていると声明を出したことから、アメリカのヒラリーなどが激怒し、実際にアムネスティ・インターナショナルに統計を取らせて「そのような事実はない」と公表させた。しかし、戦時中のレイプというのはまさに人間を学ぶものであり、極端な数字ではコンゴでは2006年から2007年の間だけでも40万人の女性がレイプされているとされる。また、南アフリカでは「女性は文字を覚えるよりもレイプされる可能性の方がよっぽど高い」と報じるメディアもある。この「戦時中のレイプ」に関する問題は、とにかく「アンダーカウンティング」(数を少なく公表する)ことにある。被害者の女性自身が、羞恥心や、また愛国心などの理由で被害を泣き寝入りすることもあるし、場合によっては殺害されて「死亡者」に算入されるだけのこともあるのだ。こうした統計の取り方は「医療機関を調査するしかない」とも言われる。現在、コロンビアや、コードジボアール、コンゴ、東ティモール、リビア、スーダンでこのようなことが現在進行形で行われているのだ。こうした国々では「女性に統治機構に参加してもらうしかない」とも言われる。また、レイプは「外国の」「赤の他人」が被害を受けているのではなく、どの国でも、戦時中であれ平和な時であれ行われている。あなたの国が内戦になったら真っ先にレイプされると思ってこの問題を向き合ってもらいたいというのが「戦時中のレイプ」の問題なのだ。
フォーリンアフェアーズ「戦時中のレイプ」

「医学は文系学問~ハイチの事例」
1848年にルドルフ・ヴァーチョウが「医学は文系学問」と語ったのが有名であり、私の父もそれを口癖のように言っていた。その実態を、ハイチでの経験で生々しく語ったのがハーバード大学医学部卒のポール・ファーマーだった。彼は1982年にハイチを訪れた。当時の課題は結核であり、小さな診療所を作ることから始めた。しかし、医療施設への需要は大きく、すぐに中央病院にまで拡大したという。資金集めのために、世界でも福祉に影響力のある人をハイチに招待し、悪路を長時間歩かせてしまったこともあるが、おかげで2000年までにはハイチの町並みは見違えるほど変わった。また、子供の栄養不足が病気の原因であることもあり、ニジェールから輸入していたピーナツバターを、ハイチの農家に技術を教えて、自給できるようにもした。子供の栄養失調の防止にも奔走したのだ。また、腎臓にガンが見つかった少女がいたが、貧困層だったため、対処が遅れ、レントゲンで肺に転移したことが確認されたので、アメリカのボストンに転院させて放射線と薬物で対処している。このような事例にもバックアップする慈善団体の資金が必要になるのだ。2002年のブッシュ政権がハイチの救済に動いたので、一気に事態は改善したとされる。アメリカ大統領クラスがハイチの救済に動けば、巨大な資金が動く。そういう現状も政治だったのだ。政治力を最も必要としたのは2010年の巨大地震だった。病院の敷地に各国の医療使節団が縄張り争いをするぐらいの仮の施設を作ったが、むしろ有難いぐらいだったという。
私はこの記事を読んで、東日本大震災で「医者は負傷者救済のための政治をやったのか?」という観点を指摘しておきたい。災害が起きるということはけが人が出るということだ。野球やサッカーで救済を訴える前に「医者が政治をやる」実態がなければならない。しかし、天皇はそのようなことを一切念頭に置いていない。頭の中の「事例集」に災害に関する事例が全くなかったようだ。
フォーリンアフェアーズ「仲間を助けること」

「アルカイダの真実」
トルコの言い伝えに「敵が蟻であれば象だと思って立ち向かえ」というのがあるが、今のアルカイダはまさに「蟻」でしかないのが真実なのだ。うまくセキュリティーをくぐり抜けた19名が9・11テロを起こした時は、「アルカイダはすぐに核兵器を開発するのではないか」と言われたが、実際のアルカイダは資金繰りに頭を悩ませつづけ、アメリカに小型爆弾を持ち込もうとしては失敗していた。ロンドンの地下鉄で2005年に爆破テロを成功させたのが唯一の実績だった。ビンラディンはパキスタンですでに殺害されており、テロ組織としての「恐怖」は日本のオウム真理教の方が上だったのではないかとすら言われている。オウム真理教は、オーストラリアからウランを持ち込んで核開発を行っていた。しかし、問題の困難さを実感し、サリンの開発に移行している。実行したのは地下鉄サリン事件の13名の殺害だけだ。アルカイダも、アメリカの識者がしきりに「核開発の可能性」を喧伝したことから、人々に脅威が広がったが、核開発のための施設も科学者も技術者も保有する力がなかったのだ。ましてや核実験までは到底及ばない。たしかに、アルカイダというのは国際社会においてはいまだにテロリストとして脅威を与える存在ではあるが、結局のところ「オウム真理教にも及ばない蟻」とまで言われている。
フォーリンアフェアーズ「アルカイダの真実」

「ムバラク裁判とその行方」
エジプトのムバラク大統領が一月に権力の座を奪われたが、彼が8月3日に最初の裁判を迎えた。彼は警官にデモ隊への発砲を命じ、多くの命を奪わせている。それだけではない、いろいろな汚職まで法廷ではさばかれる予定だ。イスラエルに市場価値よりはるかに低い価格で石油を流していたり、他にも多くの争点があるとされる。閣僚も被告人として名を連ねている。しかし、現在の政権が、今年の年末の選挙までの暫定政権として軍が握っているのが問題だ。エジプトの司法は独立性が高いとされるが、多くの政権に近い人は「自分たちは牢屋に入りたくない」と考えており、警察からも「どうやって証拠を集めるつもりか」という問題がある。群衆に誰が発砲したかなどの問題は警察しか把握しておらず、証拠という観点からも警察に切り込むのは難しい。現在の軍事政権は「裁判とは距離を置きたい」と考えている。エジプトの民衆は、デモで息子や娘の命を奪われた人も含めて、かつての権力者が被告人に名を連ねていることそのものに満足しているとされる。ムバラク自身が権力を握っていた当時に、忠誠心のない部下を裁判にかけるなど、エジプト司法は信頼が厚いが、革命の過渡期にかつての権力者が裁かれるということであり、今のエジプトは経済問題の克服を課題としていて、今年の年末の選挙に人々の関心は移っているとされている。
フォーリンアフェアーズ「ムバラク裁判と困難」





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