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2011年3月18日 (金)

国盗り物語

法学教室の2007年4月号~2008年3月号の連載「行政組織法・公務員法」宇賀克也をにらみながら、今後も各官庁に電話を打ち込むことにする。今晩はまだ時間があるので今までの総括を行いたい。
たとえば、県知事のようにかなり偉い人の権限とされている判断を、知事の名において、しかし実際には課長が処理する権限を内部的に委任しているような例は多く、これを「専決」と呼ぶのだ。この場合は「課長クラスを相手にすればいい」ことになる。
一方で「代決」というのがある。これは、決裁権者が出張または休暇その他の事故により不在であるとき、特に至急に処理しなければならない決裁文書について、局長の決裁事項であれば総務課長、課長の決済事項であれば総括課長補佐のように、決裁権者のあらかじめ指定する直近下位者が代理の意思表示をして決済することを意味する。代決したものは事後すみやかに決裁権者に報告しなければならないのだ。しかし、実際はこの代決が「内部代理」として用いられることが多く、軽微な事案では「常時代決」というのも行われている。しかし、あくまでも直近の部下がやることなのだ。
上司の違法な訓令にしたがった場合、「上司に言われた」という言い訳で常に懲戒処分を免れるというわけではない。形式要件を欠く訓令にしたがう義務は負わないのみならず、したがわない義務すら負う。宮崎県では、上司に犯罪行為に該当する訓令を受けた場合は、他の上司への相談や公益通報を義務付ける職員の倫理規定を設けている。この規定に違反した場合は懲戒処分の対象となる。(2007年9月施行)
大臣官房には「官房3課」と呼ばれるものがある。「文書・人事・会計」だ。
文書においては「内閣法制局」が代表例だ。法律面での重要な管理機能を果たす。
人事においては「総務省行政管理局」「人事院」が代表例だろう。
会計においては「財務省主計局」「財務省理財局」が重要な役割を果たす。
どの「総括管理機関」もこの「文書・人事・会計」の役割を基本として持っているのだ。
「ボトムアップの一例」
たとえば組織のボトムアップは以上のように行われる。
係長→業務担当補佐→法令担当係員→法令担当補佐→総括補佐→主管課長→総務課法令担当係員→総務課法令担当係長→総務課法令担当補佐→総務課総括補佐→総務課長→審議官→局長というルートで起案書が順次回覧されていくのだ。
この決済で組織の意思が確定していく。これが「稟議制」の基本だと言っていい。
内閣府には「防災担当」の政策統括官がいるようだ。特命担当大臣を補佐し、重要会議に関する会議の事務局としての職務も行っている。
内閣府は「知恵の場」・内閣官房は「戦略の場」と呼ばれるが、内閣官房は、内閣の統括機能全般を補佐し、その企画立案・総合調整機能は特定事項に限定されず、行政各部の施策のすべてにわたるとされる。なにかあったら内閣官房が頼りになるのはこの点にあると言える。
内閣府の「特別の機関」に「日本学術会議」というのがある、この日本学術会議は「学者の国会」とも呼ばれ、学問の尊重の観点から内閣総理大臣の所轄のもとにおかれ、職権行使の独立性を保証している。なにかあったらここに相談するのも手かもしれない。
以上、ポイントをまとめてみました。東京大学の宇賀克也先生に感謝します。

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