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2010年11月 5日 (金)

国際刑事裁判所をあざ笑うアフリカの人

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1998年のローマ規定によって設立された国際刑事裁判所(ICC)が、現在、機能不全の問題を抱えている。スーダンのダルフール地方の紛争に関して、国連安保理で2005年にこの紛争がICCに付託され、米国・中国・ロシアはICCに加盟していないものの、棄権するかあるいは拒否権を行使しなかったため、ICCはスーダンに、容疑者とされた閣僚や軍要人の引渡しを要求するも、スーダンは拒否した。スーダンはICCには加盟していない。アフリカでは、アフリカ連合が独自にダルフールに関するハイレベルパネルを設置した。アフリカ連合は政治的解決を目指したため、ICCとの緊張感を高めた。その経緯の中で、アル・バシール大統領の嫌疑・行動が問題となったのだ。ICCの管轄権行使は、締約国の付託か、犯罪地国か被害者国籍国の受諾があれば検察官が捜査権を行使できるが、国連安保理の付託の場合は、それだけで管轄権が行使できるために当然、当事国であるスーダンの反発も想定できるのだ。アル・バシールはアフリカ諸国を訪問し、どの国も逮捕権を行使しようとしないのだ。安保理では、中国とロシアがスーダンに対して友好的であるために、強硬な措置がとれず、アフリカ連合諸国がハイレベルパネルによる地域的解決を求めているためにこのようなことが起きている。これが、現在、国際刑事裁判所(ICC)をめぐる問題である。
そもそも、オランダのICCが、世界で何が起きているのかを把握することはきわめて困難であり、まずは一義的にはその国の処罰に委ねる方が、証拠収集の面からも好ましい。あくまでもICCは補完的なものだ。しかし、日本の刑事訴訟法もローマ規定の影響を受けており、殺人罪などの公訴時効を撤廃したことはローマ規定に一致するものだった。東京裁判・ニュルンベルク裁判から始まり、旧ユーゴスラビアおよびルワンダの国際刑事法廷を経て精緻化されたものが今のICCであると位置づけられる。全体的な発展は慣習国際刑事法の側面から把握すべきものなのだ。慣習国際刑事法は罪刑法定主義の問題があり、条約や各国国内法にはそのような問題はない。しかし、いまだ条約が成立していない領域での慣習の生成というものも無視できないのだ。東京裁判というのも結局そのような慣習の生成の一環と位置づけられるのかも知れない。
ジュリスト2010年10月15日号「ICC(国際刑事条約体制)」高山佳奈子

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