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2010年11月11日 (木)

アメリカ~6時から22時までは子供の時間

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アメリカ連邦通信委員会(FCC)は、合衆国法典により、テレビやラジオなどの無線通信における「下品な」表現を規制する権限を持っている。特に、6時から22時の時間帯に下品な用語が用いられた場合は罰則を課してきた。2003年にゴールデングローブ賞の中継でU2のボノが
This is realy, really, fucking brilliant
と発言したことから、ほんの一瞬の表現ですらFCCに苦情が殺到した。ちなみに「Fuck」という言葉は婉曲的に「F言葉」と呼ばれている。その4ヵ月後に、スーパーボウルのハーフタイムショーでジャネット・ジャクソンが胸を露出したことからFCCは全体会議でゴールデングローブ賞規則(GG規則)という規制の基準を明らかにした。FCCが調査したところ、ABC、CBC、Foxなどで4つの「下品」な表現があるとしたが、これらのテレビ局の提訴を受けて、GG規則をいったん撤回し「市民の意見を聞く」とした。2002年のビルボードアワーズ賞を受けたシェールの発言や、2003年のリッチーの発言も問題となった。("fuck'em""shit""fucking"程度のものだった) FCCは、これらの発言はGG規則を変更した「R規則」に触れるとしたが、Foxは連邦高裁で基準変更の「合理的説明」を求めたのだ。
連邦最高裁法廷意見は、F言葉の一瞬の使用は、性的意味から派生して侮辱・攻撃を行う力を持っている。その言葉を発しただけでも卑猥な様子を表し、子供に対し有害な衝撃を与える。たとえ1回でも使用を認めるとその言葉が広範に使用されてしまうので、規制が必要であるというのは合理的である。とした。また、技術の進歩によって、たとえ生放送ですらそのような表現の削除の技術が存在することも明らかにしている。
アメリカの判例では、行政の解釈規則の変更にも1970年代から厳しくチェックする「ハードルック審査」という判例法理が出来上がっていた。しかし、連邦通信委員会は通常の行政機関ではなく、独立機関であったため、その裁量の幅が尊重され、緩やかな判断基準が採用された。政府側とFox側の見解は真っ向から対立する。政府側が「セサミストリートでビッグバードがF爆弾を投下するようなものだ」としたのに対し、Fox側は「F言葉は単なる強調の意味で用いられることもある。確かに低俗な言葉ではあるが、ある種のニュアンスを出す時に必要な場合がある」とした。なお、アメリカのテレビに「Vチップ」をつける方法をFox側が言及している。「性的、暴力的あるいは下品」な番組のレーティングをテレビに内蔵できるそうだ。
ジュリスト2010年11月1日号「行政機関の政策変更に関する司法統制~F言葉の放送を禁じることの合法性および合憲性」大林圭吾

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