最近のトラックバック

2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

« パンチングボール(スピードバッグ)の打ち方 | トップページ | 公共事業における「PFI」の使い方 »

2010年11月19日 (金)

住居侵入罪と戦争の後方支援

法学教室 2010年 11月号 [雑誌]Book法学教室 2010年 11月号 [雑誌]

販売元:有斐閣
発売日:2010/10/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する

大審院の判例は、住居侵入罪に関しては、旧住居権説の立場に立ち、家制度に基づき、戸主が住居権を有すると解した。そして、戸主が出征中に姦通目的で家に入った場合は、妻の同意があっても、住居権者である夫の推定的同意に反する以上、住居侵入罪が成立すると解していた。戦中の住居侵入罪の適用は、刑法の解釈・運用が国の政策に大きく影響を受けることをよく示している。太平洋戦争の時代に住居侵入罪の認知件数は激増し、戦争終結と同時に激減している。その原因について犯罪白書は「戦時において銃後の婦女子を守ろうとする捜査当局の厳重な捜査方針の下で、当時、刑法には人の妻たる者の姦通行為につき、その妻と相姦者とを処罰する旨の規定は存したが、夫の告訴を要する親告罪であり、これで処罰しようにも出征中の夫から告訴を得られず、実際上処罰することが困難であったため、相姦者が夫の住居権を犯したとして、住居侵入罪で処罰する方針がとられたのであり、これが、戦時住居侵入が増加した主因と考えられる」としている。戸主権と住居権を結びつける大審院判例は「銃後の守り」を支えていたのだ。これはある意味、捜査当局が戦争の後方支援をやっていたことを意味すると言っていい。
戦後になって、判例も様変わりし、住居侵入罪に関する理論も再構成されている。
法学教室2010年11月号「刑法各論の考え方・楽しみ方」佐伯仁志

« パンチングボール(スピードバッグ)の打ち方 | トップページ | 公共事業における「PFI」の使い方 »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 住居侵入罪と戦争の後方支援:

« パンチングボール(スピードバッグ)の打ち方 | トップページ | 公共事業における「PFI」の使い方 »