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Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

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2010年10月

2010年10月28日 (木)

エホバの証人・輸血拒否の概略

「エホバの証人Jehovah's Witnesses」は、1870年代にアメリカで生まれたキリスト教系の宗教団体(団体自体は「ものみの塔watchtower」と称している)である。世界各地に広がっており、日本でも戦前の1920年代から「灯台社」という名のもとで活動していた。「兵役を拒否した日本人~灯台社の戦時下抵抗」という稲垣真美という人の著作がある。団体自体の発表している統計によれば、現在、日本には22万人弱の信者がいるという。「王国会館」と呼ばれる施設をもち、二人一組で個別訪問を行っていることはよく知られている。聖書中にある「血を食べてはならない」(創世記9章3,4節や申命記12章23-25節など)という教えは輸血によって血を体内に取り入れることにも当てはまるとする。「命を創造者からの賜物として尊重する人々は、血を取り入れることによって命を支えようとはしない」というのだ。平成4年に悪性の肝臓血管腫との診断を受けたエホバの証人の主婦が、輸血をしないで手術が行えるのは東京大学医科学研究所付属病院だけだと考え、9月に手術を行ったが、手術の際に出血がひどく、医者は輸血を行った。患者がこの事実を知ったのは、本件輸血の事実があったことを知った週刊誌の取材申込みが10月に病院にあったことから、11月の退院時に病院側が輸血の事実を告げたのだ。
法学教室2010年10月号「不法行為判例に学ぶ~社会と法の接点」大村敦志

2010年10月27日 (水)

日本と中国法~暴れん坊将軍は法律マニアである

おそらく6~7世紀ごろ、日本にとって中国における律令制度の整備は参照すべきものであったので、それ以来の付き合いだということになる。律令格式といった法典や儀礼を定めた礼典、さらにはそれらの運用は、儒家思想の経典と合わせて、日本の律令国家形成に指針を示すものだった。中国法研究は国家の存亡に関わっていた。さらに、法制度の運用をお家芸とする「明法家」の活動は中世まで続いた。
時代は下り、江戸時代の8代将軍吉宗は、紀州藩主時代より法律好きの大名であり、将軍となってからも儒者を集めて明律研究会を開かせて検討させていた。(当時は清の時代だが、明律と清律は基本的に同じ構造である) 一方で御定書型の法整備が幕府によって行われ、このタイプの藩法も普及するが、他方で明律型の藩法を有する藩も現れその代表格が熊本藩(細川家)であった。
法学教室2010年10月号「中国法への誘い」高見澤麿

2010年10月26日 (火)

はた迷惑な株主

東京地裁平成20年6月25日決定で、株主総会への「マイク、レコーダー、ビデオカメラ、スピーカーの持ち込み禁止」の仮処分が認められた。しかし、事案をみてみると非常に興味深い。彼は1978年の大量指名解雇への反対運動をしていたのだが、会社側に活動が嫌われマイナス査定を受け、さらには労働組合役員選挙への立候補・落選などを繰り返した挙句、1981年に配転命令拒否を理由に解雇されている。1987年6月から、彼はなぜか株主となって株主総会に出るようになったのだ。株主総会では、企業のいじめの実態を告発すべく、マイクやスピーカーを使用し不規則発言を繰り返し、自作の歌を録音したCDを再生するなどし、株主総会を混乱させ、それを映像に記録し、ホームページ上で「株主総会闘争報告」として公開していたのだ。ホームページでは「株主総会は3時間11分でした」「私の発言から17分間、議長の退場命令から8分間、私一人を議場から引きずり出すのに10人で4分間かかっている」などと、発言や退場に要した時間の長さを誇るような記述があった。このことに対して、学説は、マイク・スピーカーの持込の禁止までは同調する人が多いが、携帯などが普及した現在ではカメラの持込の禁止は行きすぎなのではないかとの意見もある。当該ホームページ
ジュリスト2010年10月1日号「商事判例研究」得津晶

2010年10月25日 (月)

後見人~間違えやすいポイント

任意後見人というのは登記によって行うが、成年後見制度は財産のある高齢者を念頭に作られている。任意後見制度は本人の行為能力制限は伴わない。未成年者の場合は、保護者の同意がなければ日用品の購入もできないとされるが、有利な行為は単独でできる。成年被後見人は、後見人の同意があっても法律行為を単独では行えず、理論上は贈与を受ける行為も単独ではできない。任意後見から法定後見への移行はできるが、法定代理人が任意後見人を選任することも、親が自分の死後の子供の面倒に配慮する場合を考えると認められる(通説)。未成年者も法定後見を利用できる。意思無能力の親が悪徳商法に引っかかっても、後見人がいなければ身内が取り消すことは出来ない。裁判所は、認知症の年寄りが悪徳商法に引っかかった場合は、おカネを払って商品を受け取ることを理解しているのならば意思能力はあったとして、販売業者の認識も勘案して公序良俗違反で無効にすることが多いとされる。
法学教室2010年7月号「制限行為能力」丸山絵美子

2010年10月20日 (水)

お前は一人で強くなったつもりか

かつて、読売ジャイアンツのエースだった上原が、しきりに「メジャーへ行きたい」と口にしているのを、野村克也氏が上記のように批判していた。実はこれも考えてみると深い問題なのだ。ラーメン屋が作るラーメンは「物的資本」と呼ばれ、もうけの中から「必要経費」が控除されて課税される。たとえば「材料費・人件費・支払家賃・光熱費」などが控除される。ところが、人間の所有する有形の物質的存在を「富」と呼ぶと、それはラーメンのような「モノ」にかぎらず「自然人」も含めて考えることが出来る。これを「人的資本」と呼ぶ。
たとえば、上原が少年野球で支払った費用、さらには、中学・高校・大学という具合に現実はエリート扱いで優遇されていても「自称・雑草魂」とかつて言ったように、いろんな人が彼の落差の大きいフォークボールに関わっている。しかし、サイモンズの定式は、税法上、ヒトとモノを峻別し、個人自体の資質や健康の経済価値を考慮しない。個人間の才能の分配状況に国が関与しない、と考えているのだ。つまり、個人の才能は上原に独占される。もちろん、怪我をした場合は「医療費控除」というのはある。だが、才能のある人間がわがままを言うと、指導者としては「一人で強くなったつもりか」と言いたくもなる仕組みがある。フリーエージェント制の背景にはこのような事情があると俺は考えているのだ。
なお、「不当な人材引き抜き」は一般企業でも独占禁止法の問題になることもあるそうだ。

ロシア版シリコンバレー~メドベージェフの逆襲

メドベージェフ大統領は、2009年9月に発表した論文で、石油・天然ガスに依存した経済構造、生産性・エネルギー効率の低さ、汚職といった現在のロシアの問題点を批判し、今後は、原料よりも知的資源によって暮らしが保障される国とならなければならないと指摘した。さらに、同年11月に連邦議会に対する教書演説では、より具体的に最新技術の研究開発のためにシリコンバレーのような技術拠点を建設する必要があると述べた。
現在、首都モスクワ近郊に「スコルコボ・イノベーションセンター計画」が進められている。運営会社や参加者の権利・役割、対象となる研究分野、税優遇措置、外国人の雇用などの基本的枠組を法律で定め、2010年7月2日に下院で採択されている。高い専門知識や技能を持つ外国人を誘致するため、すでに連邦法も改正されている。年収200万ルーブル以上の外国人とその家族を、政府が毎年受け入れ決定している外国人の枠外としたのだ。
いずれは、日本人でも「スコルコボ・イノベーションセンター」で働いているという人が出てくるかもしれない。
ジュリスト2010年10月1日号「海外法律情報・ロシア」島村智子

2010年10月11日 (月)

テレビ出演のギャラと確定申告

テレビに出演したギャラは100万円未満なら10%、それ以上なら20%を源泉徴収されている。テレビ局が源泉徴収義務者となり国に納付する。さて、出演者はどうだろうか。次の年の2月16日から3月15日の間に確定申告書を提出し、国に納付するのであるが、テレビ局に源泉徴収された分を所得税額から差し引く(所得税法120条1項5号)。確定申告する際に過不足を清算するのである。所得税額から源泉徴収額を差し引いてマイナスの金額が生ずるときは差額が還付されるのだ。
法学教室2010年9月号「租税法入門」増井良啓

2010年10月10日 (日)

一年後の技能検定基礎2級

今まで、日本の製造業は外国から「外国人研修生」「技能実習生」というものを受け入れていた。研修生は「研修」というビザが下り、実習生は「特定活動」というビザが下りた。研修生は一年間の滞在後に「技能検定基礎2級」という試験に合格しなければならない。そうすれば晴れて技能実習生として労働法の保護が受けられるし、もちろん報酬も得られるのだ。しかし、研修生は労働の「対価」を得ることは在留資格上できないとされていた。このことが、苛酷な環境に外国人の若者を追い込んでいる実態があり、今年の7月から一括して「技能実習」というビザを研修生にも実習生にも与えることにした。ブローカーのような存在が不当な利益を得ないようにも仕組みを変えた。しかし、法務省は「単純労働者を原則として受け入れない入管政策」を平成22年の「第四次出入国管理基本計画」でも維持している。単純労働者として受け入れない法務省の方針の下に「研修」とされていた人たちの地位はしかし、法改正によって向上したのだ。
ビートたけしが言っていたが、ゾマホンがこの制度を利用して本国の若者を花畑牧場に送り込んでいるそうだ。
法学教室2010年9月号「外国人技能実習制度」早川智津子



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