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2010年6月11日 (金)

「ドル」と「人民元」の問題~文藝春秋より





 文藝春秋 2010年7月号 文藝春秋 2010年7月号
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文藝春秋で「ドルと人民元の熾烈な攻防」について載っていたのでまとめてみようと思う。
アメリカは金融市場では最大の「借り手」であり、米国債の五割は海外に買われている。そのうち25%は中国だ。中国が米国債を売り払えばドルが暴落する。オバマが胡錦濤に人民元切り上げを強くせまれないのもそれが理由だ。中国にとって「人民元切り上げ」は何を意味するだろうか。1兆5千億ドルのドル建て資産の目減りを意味し、巨額の国富の喪失をもたらすと同時に、輸出産業に打撃になる。しかし、「切り上げ」の情報をいち早くつかめる国営企業はむしろ巨万の富を掴めるチャンスでもあるのだ。中国共産党内部では、胡錦濤総書記は、ただでさえ江沢民前総書記が背後にいる「上海閥」に押されぎみで、党内の支持基盤は弱い。党中央政治局常務委員会(総書記を含め9名)でも多数派工作に難渋し、重要決定事項を若手の多い党中央委員会政治局(25名)にまわしている。建て前上は、中国は海外からの資金の持込みには厳格な規制があるが、いろいろな複雑な手法があるようだ。現在の中国のカネあまりは中国大陸全土にわたる人民元の洪水と言っていい。アメリカドルはその本質から「変動しない通貨」を容認しない存在なのだ。アメリカはドルを自由に発行し、世界に軍事基地を作り、物資を調達し、石油もドルさえ刷れば手に入る。米国債、米企業株式、住宅ローン担保証券などはドル建てになっているからこそ世界の投資家が飛びつくのだ。ドルが過剰になれば、不況や失業などの副作用をともなわない軟着陸の手法は、相手国の通貨切り上げしかない。一方、社会主義市場経済体制を建前にする中国共産党にとっては、変動相場制は共産党の死刑宣告に等しい。中国には「保八」という言葉があり、経済成長率8%を維持しないと、共産党幹部の暗黙の慣行の「横領」が維持できないといわれる。表向きは「8%を維持しないと農村の過剰労働人口を吸収できず、社会不安につながる」とされている。中国は経済成長率8%を維持しないと党への信頼が揺らぐのだ。人民元問題は対話で解決できるような生易しいものではないのだ。
文藝春秋2010年7月号「ドルと元、どちらが勝つか」田村秀男

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