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Foreign Affairs

  • CFR: フォーリンアフェアーズ英語版

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2010年5月

2010年5月29日 (土)

JALの会社更生~影響が大きければわがままも通る

JALの会社再建に関しては厳密には「株式会社日本航空・株式会社日本航空インターナショナル・株式会社ジャルキャピタル」の三社のことを指している。この企業が「普通ではない」理由は「高い公共性・地域経済への影響が大きい・市場の失敗という特殊性の存在」が挙げられる。「官僚や政治の食い物にされた」などと文学的に論じるつもりはない。いずれにせよ、JALは2009年の政権交代後、「JAL再生タスクフォース」、「事業再生ADR」などの調整を経て、最終的には2010年1月19日に東京地方裁判所に更正手続き開始の申立てを行った。さて、この会社更生手続きの何が特殊なのであろうか。それは「企業再生支援機構」が管財人になったことだ。この機構は政府や金融機関が出資している株式会社で、本来地方の中小企業救済のために設立されたものだ。問題は「おカネを貸すことができる」機関である事だ。しかも、その融資には政府の保証がつく。そういう機能を持った管財人がJALについている。事前に、JALは私的整理を経て債務を圧縮し、その後、政府保証をからませた管財人に再建を委ねた。しかし、会社更生法という「法的整理」をしないと、内部が不透明かつ複雑な巨大企業であるJALの内情に切り込んでいく力はないとされる。企業再生支援機構も「2年以内」の活動に期間が制限されているが、自分たちの債権回収を優先しない公平性が求められるのはもちろんだが、JALの飛行機を飛ばすために必要な取引先の確保と、大口債権者には債務の圧縮をお願いする。小口の債権者にはしっかりと返す。という対応をとりながら、再建を進めているのが現在の状況なのだ。
ジュリスト2010年6月1日号「企業再生支援機構とJALの更正手続」山本和彦

2010年5月28日 (金)

"Don't Ask, Don't Tell"軍隊からの同性愛者排除

アメリカの軍隊には"Don't Ask, Don't Tell."という決まりがある。1993年に制定された「軍からゲイやレズビアンなどの同性愛者を排除する」決まりだ。今まで、この決まりで400名が軍務不適格とされているそうだ。これを、オバマ政権の民主党が廃止する方向だ。彼らを差別しないで軍のメンバーとして認知しようという考えから来るものだ。マサチューセッツ選出の民主党上院議員であるバーニー・フランクは、自分がゲイであることを公表しているが、「同性愛者を軍から排除するというのは他国にも例がなく、イスラエル軍も排除していない」としている。オバマ政権も「同性愛者の存在が軍隊の力を弱めるとは思えない」としている。この法律が制定されても、すぐには軍は動かない方向で、軍隊の宿舎の編成をどうするかなどの研究が必要であるとしている。
ワシントンポスト5月28日付

2010年5月27日 (木)

地方自治体の赤字削減

どの地方自治体の首長選挙の候補者も、かならず「財政再建」を訴えるご時勢である。基本的に、地方財政は「マクロでは地方財政計画」「ミクロでは地方交付税」に着目するとされる。
赤字に関しては、前年度決算のときの財政指標をみる。実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率、資金不足比率。である。これらの指標の悪化の度合いに応じ、それ以上の悪化を防ぐための財政健全化計画などの策定が義務付けられるのだ。健全化判断比率は①~④とされ、再生判断比率は①~③とされている。
具体的に、財政状況が改善した地方自治体をみると参考になる。改善要因を聞いてみると、
職員数の削減、給与の削減による人件費抑制、事務・事業の見直しなどの歳出削減。
使用料、手数料の見直し、未利用資産の売却などの歳入確保。
行政改革の取組により捻出した財源による繰り上げ償還の実施。
新規の起債の抑制。
などが挙げられる。地方自治体の首長なり議員に立候補する人は「内情が分からない」で公約を作らなければならないと思うが、参考にしてみてはいかがだろうか。
ジュリスト2010年6月1日号「地方公共団体の財政健全化への取組の現状」神谷俊一

2010年5月24日 (月)

女性用バイアグラ(ピンクバイアグラ)

ドイツの製薬会社が「フリバンセリン」という女性用バイアグラを開発した。本来、十人に一人の女性が「性に興味がない」症状を起こしているとも言われるが、専門家によると、興味がなくなるときは自然になくなるもので、病気ではない、という人もいる。しかし、女性によってはやはり薬に頼ってでも性生活が必要であるという人もいるようだ。男性用バイアグラがブレイクしたのは1998年だが、これは女性にも若干効果がある。しかし、フリバンセリンは、男性よりも性欲のメカニズムが複雑だとされる女性に効果のあるものだ。今は、研究段階で、プラシボなども活用した実験が行われている。めまいやだるさを訴える人も若干存在するようだ。女性の性の問題は昔から存在したものであり、その問題を巨大製薬会社が自分たちの問題にしてしまったという指摘もある。「女性を満足させる」というのは「数々の詩人・哲学者・それぞれの世代の男」を悩ませてきた問題に過ぎないという指摘もある。
参考:ワシントンポスト電子版5月24日付
注)なお、フリバンセリンはドイツの製薬会社が日本での特許の取得を試みたものの、特許庁がこれを認めなかった。「うつ病の研究により明らかになった薬理作用であるが、いまだ明確ではない」という趣旨だったようだ。しかし、裁判になってドイツの製薬会社の主張が認められたようだ。「知財高裁判例

2010年5月19日 (水)

差別と豆男

精神分析家に共有されている面白い話がある。ある学生が引きこもりになってしまった。理由が「自分は豆になってしまった」というのだ。外に出たら「ハトやヒヨドリに食べられてしまう」というのだ。3時間の説得ののちに、あなたは豆ではない、という説得に成功したが、それでも外に出ようとしないので、理由を聞くと、「私が豆ではないことはわかりましたが、ハトやヒヨドリは私が豆ではないことを知っているでしょうか」というのだ。
これは「差別」に対する状況を端的に表現している。差別とは、人間の類型に向けられた嫌悪感や蔑視感に基づく行為を言う。あなたは素晴らしい人で、差別されるような人ではない、といくら納得させても、社会が何を考えるかはその人には探知することが出来ずに、社会や世間が彼を差別してはいない、ということを確信させるハードルは非常に高い。ましてや、国家が率先して差別をしていたりしたら絶望的な状況になる。これは教育現場でも同様に論じることが可能だと思う。
私が基盤にしているのは学問であり、祈ることではないということの一つの事例だ。
参考:ジュリスト2010年5月1・15日号「表現内容規制と平等条項」木村草太

2010年5月18日 (火)

資源は北からも来る~シベリア開発

日本の石油の9割がマラッカ・シンガポール海峡を通過していることから、日本の自衛隊はこの海峡の安全を確保するためにエネルギーを注いでいる。一方で、ロシアにも石油・天然ガスは豊富にあるのだ。「サハリン1」という計画に伊藤忠・丸紅が関与し、サハリン2に三井・三菱が関与している。すでに、サハリンからハバロフスクへのパイプラインは完成している。しかし、三井・三菱がロシア政府に「環境問題」を理由にロシアの石油メジャー・ガスプロムに利権を奪われた過去があり、このような「ロシアリスク」がロシアの石油開発について回ることを日本側は認識している。政府レベルでの安全の担保が求められている。シベリアにパイプラインを引く計画があるが、このプロジェクトを推進することによって、ロシアのシベリアの人口増や、この地域が豊かになることを日本側は、日用品その他の物資の輸出を通じて保障しようとしている。シベリアの石油をパイプラインでウラジオストクまで持ってくることに成功すれば日本の石油の中東依存度を緩和させることができるのだ。資源を欲しているのは日本であり、資金を出すのも日本であるが、「ロシアリスク」だけが問題となる。そのために「シベリアを豊かにすることに日本が貢献する」という政策をとっているのだ。
デイリーヨミウリ5月17日

2010年5月15日 (土)

飛行機が安全になった理由

飛行機が安全になったのにも歴史がある。1971年に全日本空輸機と自衛隊機が岩手県雫石町上空で接触して墜落し、162名が死んでいる。同じ月に東亜国内航空機が函館北方横津岳に墜落している。航空事故調査委員会ができた理由だ。1991年に信楽鉄道事故があって、2000年には営団地下鉄日比谷線事故があった。ここで、航空と鉄道の安全委員会が合流している。海上の安全に関しては、きっかけになる事故というのは特になく、国際条約を2010年に結んだことから、航空・鉄道・海上の事故の再発防止のために国土交通省の外局として運輸安全委員会が設けられている。いろんな事故から学ぶのが大事だ。被害者の存在は、言葉は悪いが「国民の共有財産」とされ、再発防止に生かす政策がいちばん姿勢として正しいのだ。
運輸安全委員会に関する論文にあったのだが、シカゴ条約というのがあり、ボイスレコーダー・フライトレコーダーなどから得られた情報を刑事手続きに利用してはならないという決まりがあるのだが、行政調査で得られた情報を刑事手続きに利用していいかという問題がある。刑事手続きに用いるのなら黙秘権が憲法問題となってしまうのだ。これに関しては、2008年に警察庁長官と国土交通省事務次官の覚書がある。刑事手続きで、鑑定嘱託がなされ、それに対して事故調査報告書の公表をもって嘱託に応える、とされたのだ。これがシカゴ条約に反することから、日本政府は外交ルートで、条約のこの条項には従わないという「相違通告」というのを行っている。
ジュリスト2010年4月15日号「運輸安全委員会の現状と課題」宇賀克也
参考動画「NIGHT FLIGHT」Perfume

2010年5月 4日 (火)

伊豆の踊子(学者になった学生さん:宇野重吉)

吉永小百合の「伊豆の踊子」は、オープニングはモノクロの学者の講義から始まる。このことについて、吉永小百合は当初、ものすごい不愉快な思いをしたそうだ。しかし、「試写を見てわだかまりは解消された」と語っていた。その「講義」をしているのは、かつて踊子に恋をした学生さんだったのだ。その「講義」を文字に起こしてみたら、非常に面白かった。
「私は、カントがそのように幸福の関心と道徳とを対立させて、その始原において初めて一致すべきものであると考えたことに対して反対したいと思います。すなわち、各人にとって彼の本性上、固有であるべきものは、彼にとってもっとも甘美なるもの、もっともよいものである。したがってまた、自制に従った生活は、その点にもっとも多く人間が成立するものである以上、人間をもっとも幸福にするものである、と考えたいと思う」(学者になった学生さん:宇野重吉)
興味深いですね。
「幸福の関心」=踊子との恋
「道徳」=当時の因習
「甘美なるもの」=踊子との恋
「自制」=踊子との別れ
となるのでしょうか。
参考映像(Youtubeより)

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