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2010年3月13日 (土)

担保法のパラダイム~内田貴講演会

内田貴講演会「担保法のパラダイム」を参考にレポートを書きました。
平成14年7月26日:新宿・紀伊国屋ホール
今から70年以上前に、我妻栄博士が「近代法における債権の優越的地位」という論文を書いた。これは法学志林という雑誌に足掛け3年間連載され、雑誌が売り切れるほどの反響を呼んだ。この論文は担保物権の基本的な原則を示すとともに、経済史やマルクス経済学も踏まえて、担保物権を「価値権」ととらえていた。のちに金融資本、つまり銀行による産業支配の基盤となる理論を昭和2年に提示していたのだ。さて、内田教授の提示する「パラダイム」とはどのようなものであろうか。まずは「証券化」であった。この講演の6年後にリーマンショックで話題になる言葉になろうとは予想できなかった。内田教授によると「証券化」とは「一定の財産を引き当てに有価証券を発行して資金を調達すること」であり、発行するのが法律上の有価証券でない場合を流動化などと呼んでいる。たとえば信販会社は大量の小口債権を持っているが、これを特別目的会社(SPC)に譲渡する。SPCは集合債権から得られるキャッシュフローを評価し、これを引き当てに社債を発行する。債権の管理は引き続き信販会社が行う。貸し倒れリスクも織り込んだうえで魅力的な投資となりうる。信販会社が倒産しても、SPCには「倒産隔離機能」がある。この信販会社が発行する証券をABS(Asset Based Security)と呼ぶ。これにより信販会社は「オフバランス」が出来る。また、資産と収益の比率(ROA)を改善し、会社の格付けをあげることが出来る。また、内田教授は「ストラクチャードファイナンス」にも言及していた。企業のプロジェクトを担保にするのである。これに関してもユニバーサル・スタジオ・ジャパンに関する「観光施設財団抵当」の話をかつて語ったことがある。今から8年前に内田教授が「いったん興味を失った」という担保法にふたたび脚光を当てていたのだ。 法学教室2002年11月号で文字に起こされています。
注)オフバランス化取引について、基本的に自己資本比率を高めることをいう。分子が自己資本で、分母が総資産(リスクアセット)である。まず、分子である自己資本を高める手法であるが、増資という手法は、収益力を無視して増資をすればRoEの数値を悪化させて株価を下げてしまうなどの問題を含むものだった。で、一般的には貸付債権という「分母」を減らす手法が主にとられる。【しかし、貸付債権というのは債務者との個人的つながりから形成されているもので、債務者の個人情報まで了解の上で貸し付けている。しかし、この債権を上記の前提を崩さずに他に移転する技術がいろいろ考えられたのだ】わが国は古典的手法をとったが、基本的に債権を「売り切り」しなければならず、債権が回収できなかった場合の保証(リコース)付の譲渡は認められない。この【】内の記述がオフバランスの問題の核心を言い当てているとされる。2000年に入ってアメリカからまったく異なる技術が導入されたのだ。高度な金融技術を用いたもので、一大市場を作り上げたが、これがサブプライムローン問題を引き起こした。

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