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2010年3月30日 (火)

「東京23区は地方自治体ではない」という伝説

1868年に東京府が誕生し、1871年に廃藩置県が行われ、現在の区部を統括することになった。1878年に「地方自治体」は誕生したとされるが、このときに自治区の性格を持つ15の区(および6郡)が東京府の下に置かれた。1943年に戦時中の中で、府市並立の弊害を除くため、東京府と東京市が合体し、府県の性格と基礎的自治体の性格を併有する「東京都」が出来た。戦後、1947年に「特別地方公共団体」としての東京23区が練馬区が板橋区から分離することで出来上がる。特別区は市に準ずるものとされた。1952年に区長の公選制が廃止されたのだが、これがのちに、「東京23区は憲法93条2項の地方自治体ではない」とする最高裁判決を引き出すことになる。憲法93条2項は「地方公共団体の長はその地方公共団体の住人が直接これを選挙する」とあるのだが、渋谷区長選挙で、区議会議員が賄賂を受け取ってしまった。自分の罪を逃れるために、議員は「制度批判」を行ったのだ。
最大判昭和38年3月27日刑集17巻2号121頁
最高裁は「東京都の特別区は、いまだ市町村のごとき完全な自治体としての地位を有していたことはなく、そうした機能を果たしたこともなかった。このような特別区の実態から見て、1952年の地方自治法改正当時においても、憲法93条2項の地方公共団体と認めることは出来ない」と判示している。その後、1981年に「特例市構想」などが生まれたが、事務の移管や財政調整などの問題を経て、1998年に都と区の役割分担が明確に定められた(地方自治法281条の2)。この時に、特別区は基礎的な地方公共団体として位置づけられたといえる。その経緯の抽象的理解から「東京23区は地方自治体ではない」という伝説が生まれたようだ。
法学教室2003年3月号「地方自治法重点講義」宇賀克也

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