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2010年3月18日 (木)

「ねじれ国会」の総括

「ねじれ国会とは何だったのか」
平成19年7月の参議院選挙で民主党が躍進し、新党日本や国民新党と統一会派を組むなど非自公勢力を結集し、あらゆる局面をとらえて政権を追いつめた。これは平成21年の夏まで2年間続いた。そもそも、衆参のねじれは同日選でもない限り、政権交代の過渡期に必ず起きる現象であると思われるが、今回の民主党政権の誕生はそのはしりと位置づけられるかも知れない。
具体的に時期を挙げると以下の政権下での出来事だ。
167回~171回国会で2007年8月~2009年7月までに起きた現象だ。
167回(臨時会)平成19年8月7日~平成19年8月10日・安倍内閣
168回(臨時会)平成19年9月10日~平成20年1月15日・安倍→福田内閣
169回(常会)平成20年1月18日~平成20年6月21日・福田内閣
170回(臨時会)平成20年9月24日~平成20年12月25日・麻生内閣
171回(常会)平成21年1月5日~平成21年7月21日(解散)・麻生内閣
「予算」というのは政府の政策の表現とも言われるが、ねじれ国会においては、平成19年度補正予算、平成20年度本予算(改革と成長・安心の予算)、平成20年度一次補正予算(安心実現のための緊急総合対策)、平成20年度二次補正予算(生活防衛のための緊急対策)平成21年度本予算(生活防衛のための大胆な実行予算)、平成21年度一次補正予算(経済危機対策)の6回の予算が組まれ、それぞれが一般会計・特別会計・政府関係機関の予算を含むことから、6回×3の計18件が提出されたことになる。唯一参議院で可決されたのが③の福田内閣で取りまとめられた「安心実現のための緊急総合対策」を実施するための1兆8千億円規模の補正予算であり、170回国会冒頭に麻生内閣によって提出されたものだ。それ以外はすべて衆参の意見が一致せず、憲法60条2項の規定により衆議院の議決が国会の議決となっている。ねじれ国会に関しては、他にも、条約・法律案・同意人事などが問題となった。
「参議院での問責決議案可決について」
これまでには参議院で与野党が逆転していた平成10年10月に防衛大臣に対する問責決議案が可決されたのが初めてのケースであった。防衛大臣のケースでは、参議院での問責決議には法的拘束力はないにもかかわらず、可決されると参議院が審議を拒否する口実となり、これを打開するため辞任に追い込まれる点で政治的には強力な武器となる。そのような問責決議を総理大臣に対して行うのは憲法上の疑義があるとの見方もあり、いわば「禁じ手」とされていた。169回国会会期末を控えた平成20年6月11日に福田総理大臣問責決議案を民主・社民は参議院に提出し可決した。これに対して与党は翌日に衆議院で内閣新任決議案の提出・可決で対抗したが、次の国会を控えた9月1日に福田総理は膠着する国会運営の打開等のため、辞意を表明し、退陣することとなった。次の麻生総理に対しても平成21年7月14日に民主・共産・社民は問責決議案を提出・可決した。衆議院での不信任案は否決されたものの、同日、麻生総理は一週間後の解散を予告するに至った。
「ねじれ国会における法律案」
政権与党が参議院で過半数を割ったことから、内閣提出法案は絞り込まれた。そのため、議員提出法案の提出件数の方が上回るというのがねじれ国会の前半の状況だった。しかし、麻生内閣になると、解散間近という空気になったために、議員がさほど法案を提出しなくなった。その後はむしろ早く解散したいという野党の思惑から、内閣提出法案にも野党は柔軟に対応した。168回国会で福田内閣がテロ対策補給支援特別措置法案について平成20年1月11日に衆議院で再議決を行ったときは、昭和27年以来、56年ぶりのこととして注目をあつめたが、その後の2年間で17件の法律案につき12回(税法は一括採決されるため)の再議決が行われて、すっかり日常の風景となってしまった。両院協議会については、予算や条約と異なり、法律案の場合は任意に設けられるが、そもそも妥協が困難であることから両院での議決が異なるのであり、また、妥協できる部分は衆院段階で妥協していることから、法律案で両院協議会が設けられないのも仕方がないといわれた。ねじれ国会で成立した内閣提出法案は157件であるが、そのうち修正されたものが42件ある。妥協の余地がなかった17件のものをのぞくと、3割が与野党合意で修正のもと成立していた。
「ねじれ国会・条約に関して」
ねじれ国会で審議の対象となった条約は33件。そのうち、在日米軍駐留経費負担特別協定及び在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定の2件が参議院で不承認となった。他にも9件が参議院で議決されなかったが、この9件には衆議院では民主党も賛成していたものの、169回国会会期末に福田総理大臣の問責決議案が可決されるなどの政治状況の中で議決にいたらなかった。現在の民主党の対米外交にもこの2件の条約を否決した事実は影響を及ぼしているものと思われる。いずれも憲法61条で準用する60条2項の規定により衆議院の議決が国会の議決となり成立している。
なお、余談であるが、選挙での「衆参逆転」は過去に3度あるそうだ。
1989年7月通常選挙。宇野首相退陣。海部内閣成立。「部分連合」によって対応。
1998年7月通常選挙。橋本内閣退陣。小渕内閣成立。「少数野党との連立」で対応。
2007年7月通常選挙。安倍内閣続投。「ねじれ国会」国会代表質問後に辞意を表明。国会は3週間の「自然休会」になる。

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